原油高騰の余波が建設資材にも広がっている。タイの鉄鋼価格が30%急騰し、ペイントとシンナーに至っては50〜70%の大幅値上がりとなった。コンケーンの大手金属販売店「Yee Metal Product」が警告したもので、在庫切れが迫り建設業が停滞する懸念が高まっている。
Khaosodによると、4月20日に報じられたのはコンケーン県ムアン郡ムアンカオ区の幹線道路沿いにある同店舗の状況である。連日価格改定が続き、店内は以前の賑わいを失って閑散としている。商品が動かず、業者も買い控える悪循環が生じている。
具体的な値上げ幅は衝撃的だ。建築用の「鉄箱(2×1×1.2インチ)」が180バーツから246バーツに跳ね上がり、約37%の上昇である。鉄筋(ข้ออ้อย)も175バーツから230バーツになり31%の上昇を記録した。いずれも2026年2〜3月時点と比較した数字だ。
さらに厳しいのは化学系の建材である。ペイント、シンナー類の価格は50〜70%の大幅上昇となった。建築仕上げ工程で欠かせない品目で、代替品の選択肢も限られる。住宅・店舗の内装工事を請け負う業者にとって、利益率が一気に圧迫される構造である。
建設業者は対応に苦慮している。既に契約済みの住宅建設を進めるか、建設費を改定交渉するかの判断を迫られている。顧客との信頼関係を守るため、値上げ分を業者が被るケースも出ている。ただし在庫切れが迫っており、「受注を止めざるを得ない」との声も上がる。
原因は原油価格の高騰にある。中東情勢の長期化で原油先物が上昇し、鉄鋼の製錬コスト、化学品の原料コスト、海上輸送費まで連鎖的に押し上げた。タイは鉄鋼の原材料の多くを輸入に頼り、ペイントの化学原料も輸入依存度が高い。
政府の対応が業界から強く求められている。燃料補助策の拡充、鉄鋼輸入関税の一時的な軽減、物価抑制のための緊急措置などが案として挙がる。しかし政府内では5000億バーツ借入政令の発動を巡って意見が分かれており、即効性のある対策が見えていない。
在タイ日本人の住宅建築計画や工事請負も影響を受ける局面である。新築・リノベーション・修繕の見積もりは5月以降大幅に上振れする可能性があり、契約タイミングと価格改定条項の確認が重要となる。