バンコクの公共交通機関に「共通乗車券」が導入される見通しだ。2027年の運用開始を目指しており、実現すれば地下鉄・路線バス・高架鉄道など複数の交通機関を1枚のカードで乗り継ぎできるようになる。初乗り運賃の二重払いが解消される点が特に注目を集めている。
共通切符の概要
バンコクは複数の地下鉄・高架鉄道路線が運営されているが、運営主体が異なるため乗り継ぎのたびに初乗り運賃が発生するという不便さがあった。MRT(地下鉄)はバンコク・エクスプレスウェイ・アンド・メトロ(BEM)、BTSスカイトレインはBTS社、エアポートレールリンクはSRT(国鉄)がそれぞれ運営している。
共通切符が導入されれば、1枚のカードで乗り換え時に初乗り運賃が重複請求されない「シームレスな乗り継ぎ」が可能になる見込みだ。日本のSuicaやPasmoのように、交通機関を跨いで使えるICカードのイメージに近い。
2027年運用開始の背景
バンコク都市圏の交通問題は長年の懸案で、渋滞緩和のために公共交通の利便性向上が求められてきた。複数の地下鉄・高架鉄道が整備された一方、各社が独立したシステムを持つため乗り継ぎが不便だという批判が続いていた。
タイ政府と国土交通省(旧運輸省)は共通切符の導入を検討してきたが、各事業者との利益分配や技術仕様の統一に時間がかかっていた。2027年の目標は、こうした交渉が一定のめどを立てたことを示す。
初乗り二重払い問題の解消
現状では、例えばBTS(スカイトレイン)からMRT(地下鉄)に乗り換えると、それぞれで改札を通るたびに初乗り運賃が加算される。これは路線網が発展するほど乗客の負担を増やす構造だった。
1枚の共通切符で乗り継ぎコストが削減されれば、遠距離移動でも公共交通を選ぶインセンティブが高まる。自動車からの転換を促し、バンコクの深刻な交通渋滞緩和にも寄与することが期待される。
バンコクの鉄道ネットワークの現状
2026年時点でバンコクには複数の高架・地下鉄路線が運行されている。BTSスカイトレイン(シーロム線・スクンビット線)、MRTブルーライン・パープルライン、エアポートレールリンク(スワンナプーム空港接続)、MRTイエローライン・ピンクライン(近年開通)などだ。
各路線は接続しているが、乗り換え駅での支払い重複が利用者の不満を生んでいた。共通切符実現の鍵は、各事業者がシステムと収益配分で合意できるかどうかだ。2027年という目標が現実のものとなれば、バンコクの公共交通は大きく使いやすくなる。