バンコク・バンナー郡の高級村の4階建てタウンホームで4月19日午前2時45分頃、火災が発生した。2〜3階が激しく炎上し、40歳前後の女性とドイツ国籍の70歳女性が煙で窒息死、2人が火傷で負傷した。日本人居住者が多い地域での未明の火災で、在住者は改めて延焼経路と避難計画の確認を迫られる。
バンナー署副捜査官のウィラット・サムラーン氏に通報が入り、スクムビット消防・救助隊とともに現場に向かった。住所はウドムスック通り、バンナー北区、バンナー郡である。到着時、4階建てタウンホームが数戸並ぶうちの1棟で、2〜3階を中心に火が激しく燃え広がっていた。
消防は隣接戸への延焼を防ぐため30分ほど放水し、炎を鎮圧した。現場から発見された死亡者2人の身元は、1人目が40歳前後のタイ人女性とみられ、もう1人は70歳のドイツ国籍女性だった。2人とも死因は煙による窒息と確認された。負傷者は2人で、体に火傷を負い病院へ搬送された。
火災の原因は現時点で特定されていない。深夜の時間帯で、住人が就寝中に煙を吸い込んだ可能性が高いとみられている。タウンホームは壁で隣戸と隣接する構造のため、1戸で火が出ると数戸が連続して延焼しやすい。今回は消防が早い段階で到着したため、隣戸への拡大は止まった。
バンナーは在タイ日本人が多く居住するエリアで、特にウドムスック・プーンサーン沿いにはコンドミニアムや戸建てが密集する。ASEAN関連の日系企業も多く、日本人向けのスーパーや病院が点在する。今回の現場は「高級村」と報じられており、一定の防火設備があっても、夜間の煙への対応は居住者の事前準備に依存する。
タイの住宅は木材と石膏ボードを多用する構造が主流で、日本の耐火住宅とは異なる。煙感知器の設置、寝室ドアを閉める習慣、避難経路の複数確保など、日本の感覚で「あって当たり前」のものが、現地ではまだ標準化していない場合も多い。今回のような悲劇を前に、在住日本人家庭も火災報知器や消火器の点検を一度見直しておくと安心感が変わる。