トラート県クローンヤイ郡の沖合で4月18日、生鮮品を密輸していた船舶が沈没した。腐敗した鶏肉など2トン以上の積み荷が海中に散乱し、周辺10キロ以上にわたる悪臭がクローンヤイ地区の5つの村と地域唯一のクローンヤイ病院まで達した。
沈没の経緯と発見
通報を受けたトラート海洋権益保護センター(ศรชล.จ.ตราด)のウティチャット副所長が現地を確認したところ、ハートレック地区の沖合に沈没した船舶が確認された。積み荷の鶏肉などが海中で腐敗し、強烈な臭いを発していた。
当局はエアボートを出動させて腐敗物の回収作業を開始した。ただし2トン超の腐敗した生鮮品が海底や海中に広がっているため、完全な回収には時間がかかるとみられた。
トラート沖の密輸問題
トラート県はカンボジアと国境を接する東部沿岸の県で、ラヨーン島(コ・ラヨーン)やチャン島(コ・チャン)などの観光島が有名だ。同時に、カンボジアから生鮮品・加工品・雑貨などを海路で密輸する業者も後を絶たない。タイの食品衛生検査を通らない安価な食材を仕入れる違法ビジネスだ。
今回の事故は密輸が発覚した案件ではなく、輸送中の事故として扱われている。密輸業者が自沈させたのか、天候や波の影響で沈没したのかは不明だ。当局は乗員の消息も確認中だ。
密輸のツケは地域住民が払う
密輸業者の利益追求の結果として起きた今回の汚染は、全く関係のない5つの村と病院の住民が負担を強いられた。農業・漁業・観光業が基盤のトラート沿岸の人々にとって、悪臭による日常生活の支障だけでなく、海洋環境への影響が長引くリスクもある。当局は密輸業者の特定と損害賠償請求に向けた調査を続けている。



