タイのスパジー副首相兼商務大臣は9日夜の国会審議で、タイ向け尿素肥料を積んだ輸送船5隻がホルムズ海峡で足止めされている現状を明らかにした。5月中旬以降に通過できなければ、国内の肥料供給に深刻な影響が出る可能性があるという。
スパジー氏は、中東情勢の緊迫化がもたらす地政学リスクが国内経済に波及していると指摘した。エネルギー価格の高騰に加え、農業の根幹を支える肥料の調達にも支障が出始めており、政府として多面的な対応を迫られている状況である。
生活費の負担軽減策として、スパジー氏は移動販売車「ロット・プンプワン」と政府系廉価販売プログラム「トンファー」のモバイル版を組み合わせた新構想を提案した。日用品や食料品を市場価格より安く積み込み、交通の便が悪い地方集落まで巡回させる計画である。燃料補助カードの配布も併せて検討するとした。
同氏はまた、政府が進める「タイ助けタイ」プログラムにも言及し、地域の中小企業やコミュニティ製品の品質向上を支援する方針を示した。工業規格の取得を後押しすることで、国内製品の競争力を高めると同時に、輸入品への依存度を下げる狙いがある。
肥料の輸送船については、ホルムズ海峡を無事に通過できれば状況は改善に向かうとの見通しを示した。ただし中東情勢の先行きは不透明であり、ジェット燃料が3倍に高騰しLCC3社が一部路線を運休するなど、エネルギー供給の混乱はすでに国民生活の各方面に及んでいる。
