タイ中部チャイナート県の県僧侶長は9日、移動ステージの女性歌手の頭を叩いたとして問題になっていた地区僧侶長に対し、1年間の職務停止処分を下したと発表した。県僧侶長のプラ・ラーチャワチラキッジャートーン師が記者会見で明らかにした。
調査委員会の報告によると、処分の根拠となったのは2つの戒律違反である。1つ目は公衆の面前で女性の身体に触れたことで、僧侶の戒律に対する重大な不遵守と判断された。2つ目は自身の管轄区域外で僧侶の指導的職務を無断で行っていたことで、大僧侶評議会の規定に基づく書面での許可を得ていなかった。
一方、叩いた行為の力加減や、双方が主張する暴言の有無については、当事者の証言が食い違っている。僧侶側の主張と被害女性側の主張に隔たりがあるため、僧侶組織だけでは事実認定が困難と判断し、警察による刑事捜査の結果を待つ方針を示した。
また、当該僧侶が持つ「プラ・ウパッチャーイ」(出家の儀式を執り行う資格)の地位についても処分が検討されている。県僧侶長にはこの地位を直接剥奪する権限がないため、証拠を取りまとめた上で管区僧侶長(第3管区)に送付し、同様に1年間の職務停止を求める方針である。
プラ・ラーチャワチラキッジャートーン師は、僧侶組織として事態を軽視しているわけではなく、法務担当と連携して厳正に対応していると強調した。今後、警察の捜査で現時点の認定よりも重い事実が判明した場合には、職務停止にとどまらず免職やその他の行政処分を追加する用意があるとしている。