タイ政府が2026年4月上旬にパーム油の輸出停止措置を発令してからわずか4日で、産地クラビー県カオパノム郡の集荷場では買い取り価格が8.80バーツ/kgから6.80バーツ/kgへと2バーツ急落した。ソンクラン連休(4月11〜)を前に集荷場・搾油工場が一斉休業に入る見通しで、連休明けにはさらなる下落が予測されている。
なぜ輸出停止が価格下落を招いたか
政府が輸出を止めた目的は、国内市場への食用パーム油供給を安定させることだった。しかし輸出先が失われた分だけ、国内の買い手が少なくなる。パーム油の鮮度は時間の経過とともに劣化するため、農家は在庫を抱え続けることができない。売り急ぎが続き、価格が下がった。
輸出停止初日に50サタン(0.5バーツ)の下落が発生し、その後も毎日下落が続いた。10日には前日比70サタンの下落を記録し、4日間で計2バーツ落ちた。
ソンクラン休業で下落がさらに進む可能性
農家にとって追い打ちとなるのがソンクラン連休だ。11日から大半の集荷場が買い取りを停止し、搾油工場も休業に入る。在庫が積み上がった状態で連休明けを迎えれば、買い叩かれる可能性が高い。関係者の間では「連休明けにさらに下がる」との見方が広がっていた。
生産者と消費者で逆の影響
この問題は川上と川下で影響が逆転するケースだ。産地の農家は価格下落で打撃を受けているが、都市部の消費者にとっては食用油・石鹸・シャンプーなどパーム油を原料とする製品の値上がりが続いていた。政府が輸出を止めて国内供給を増やした結果、消費者物価の抑制には寄与する可能性がある。しかしその恩恵は産地農家の所得減という犠牲の上に成り立つ。農家側からは「結局しわ寄せは生産者に来る」という不満が上がった。