アヌティン首相は、ソンクラーン連休中の交通事故や災害リスクに備えたマイクロインシュアランス(少額短期保険)を積極的に活用するよう呼びかけた。わずか10バーツの保険料で最大10万バーツの補償が受けられる商品を紹介し、政府として普及を後押しする姿勢を示した。
マイクロインシュアランスとは、保険料と補償額の両方を小さく設定した短期の保険商品だ。タイでは携帯電話のSMSやコンビニエンスストアのタッチパネル端末から数分で申込みができ、手続きの煩雑さがない。今回紹介された10バーツ・10万バーツ補償のプランは、交通事故による入院・死亡を主な補償対象としている。ソンクラーン期間の5〜7日間のみ有効な短期プランだ。
タイのソンクラーン連休は交通事故が集中する「魔の7日間」として知られる。2025年のソンクラーン7日間では死者が約200人、負傷者が約2,000人に達した。帰省ラッシュのバイク事故、飲酒運転、居眠り運転が主な原因だ。保険未加入のバイクが多く、事故に遭っても十分な補償が得られないケースが少なくない。
マイクロインシュアランスの10バーツという価格は、タイの最低日給(340バーツ)の3%以下だ。農村部の低所得世帯でも手が届く価格帯であり、首相が推奨する社会的な意図は明確だ。保険の普及により、事故後の家族の経済的負担を軽減し、社会的なセーフティネットを補完する狙いがある。
タイ損害保険協会(TGIA)は毎年ソンクラーンシーズンに合わせた特別保険商品を提供しており、今年は複数の保険会社が同様の少額プランを販売した。