世界的な都市文化メディアTime Outが発表した「Best Cities for Gen Z 2025」(Gen Zが住みたい世界の都市ランキング2025)で、タイのバンコクが世界第1位に選ばれた。発表は2025年8月13日で、世界18,000人以上の都市住民調査をもとに作成された世界初のGen Z都市総合ランキング。バンコクは幸福度(84%)・手頃度(71%)・友達の作りやすさの3指標でトップに立ち、メルボルン(2位)、ケープタウン(3位)、ニューヨーク(4位)、コペンハーゲン(5位)を大きく引き離した。世界的な経済不安・家賃高騰に直面するGen Z(1997-2012年生まれ)世代にとって、「手頃で社交的で幸せに暮らせる都市」としてバンコクの評価が初の世界一に到達した形となる。
Time Out Index 2025の調査背景
Time Outは英国発の世界的な都市文化メディアで、毎年世界都市の「住みやすさ」「観光地」「ナイトライフ」などの分野で総合ランキングを発表している。2025年は初めて「Gen Zが住みたい都市」という総合ランキングを設計し、世界18,000人以上の都市住民調査をもとに発表した。
調査の特徴は次の通り。
- 対象: 世界主要都市の住民、Gen Z世代(1997-2012年生まれ)を中心に
- 調査規模: 18,000人以上
- 評価指標: 幸福度、手頃度、社交性、文化、ナイトライフ、交通など複数軸
- 発表日: 2025年8月13日(初版)
世界的に家賃高騰・物価上昇・経済不安が深刻化する中で、Gen Z世代が「実際に住んで幸せか」「生活コストが手頃か」「友達ができやすいか」といった実用的な指標を重視する傾向が反映された設計となっている。
バンコクが選ばれた3つの理由
バンコクが世界第1位に選ばれた背景には、3つの重要指標でのトップ評価がある。
バンコクのGen Z住民の84%が「住んでいて幸せ」と回答。世界主要都市の平均(約62%)を20ポイント以上上回る圧倒的な数値で、東京(58%)・ニューヨーク(67%)・ロンドン(63%)を大きく引き離した。
バンコクの生活費を「手頃」と回答した割合は71%。家賃・食費・交通費の安さに加えて、屋台・市場・コンドミニアム賃貸など多様な価格帯の選択肢が評価された。世界の主要都市で家賃高騰が続く中、バンコクの相対的な手頃感が際立つ結果となった。
「友達を作りやすい都市」の指標でもバンコクが世界トップ。多国籍コミュニティの開放性、コワーキング・カフェ文化、ナイトライフの活気、ソンクラン・ロイクラトンなど参加型の祭り文化が、若い住民同士の出会いを生み出している。
2025年Gen Z都市トップ10
Time Outが発表した2025年Gen Z都市トップ10は次の通り。
- 1位: バンコク(タイ)
- 2位: メルボルン(オーストラリア)
- 3位: ケープタウン(南アフリカ)
- 4位: ニューヨーク(アメリカ)
- 5位: コペンハーゲン(デンマーク)
- 6位: バルセロナ(スペイン)
- 7位: エディンバラ(イギリス)
- 8位: メキシコシティ(メキシコ)
- 9位: ロンドン(イギリス)
- 10位: 上海(中国)
東南アジア・南米・南アフリカといった「経済的に手頃な多国籍都市」が上位に並ぶ一方、欧米先進国都市は経済不安と家賃高騰で順位を落とした構図。アジア都市でトップ10入りしたのはバンコクと上海の2都市のみ。
なぜGen Zはバンコクを選ぶか
Gen Z世代が世界の都市の中でバンコクを選ぶ理由として、複数のメディアが次の要素を挙げている。
- : ノマド・リモートワーカー向けのインフラが整備
- : AirBnB・月単位の短期賃貸物件が豊富
- : 1食50-100バーツで満足できる屋台・市場・フードコート
- : BTS・MRT・Grabタクシーで都市内移動が手頃
- : 周辺の島・山岳・海岸へのアクセスが容易
- : 駐在員・留学生・デジタルノマドが集まる
- : ナイトマーケット・クラブ・ライブハウスが活発
- : 国際基準の私立病院が手頃
特に「リモートワーク×手頃な生活費×多文化コミュニティ」の組み合わせは、グローバルなGen Zデジタルノマドにとって理想的な環境とされる。
日本との比較
日本のGen Zから見たバンコクの魅力は、次のような指標で東京と比較される。
- 家賃: バンコク中心部の1ベッドルームは月15,000-30,000バーツ(約7-14万円)、東京は10-20万円
- 食費: バンコクは1日300-500バーツ(約1,400-2,300円)で生活可能、東京は2,000-3,000円
- BTS定期: 月1,000バーツ(約4,600円)、東京は1万円超
- 私立医療: バンコク病院・サミティベートで日本語対応可能
- 留学・短期滞在: タイ語学校・国際大学の選択肢が豊富
東京の物価高騰、家賃の異常高、孤独な都市生活への疲労感に対して、バンコクの「手頃さ+社交性」が日本のGen Zにも徐々に注目され始めている。
バンコク移住・長期滞在の選択肢
Gen Zでバンコク移住・長期滞在を検討する場合の主な選択肢は次の通り。
- : 60万バーツから10-20年滞在可能(年齢制限なし)
- : 年収80,000ドル以上・税優遇あり
- : 2024年新設、180日滞在+延長可
- : タイ語学校・国際大学進学で取得可能
- : タイ国内企業就職で取得可能
これらの選択肢を組み合わせることで、Gen Z世代がバンコクで合法的に長期生活する道は広がっている。
観光面でのインパクト
Time Out 2025 Gen Z都市1位の認定は、タイ観光業界にとっても大きな追い風となる。タイ観光庁(TAT)はランキング発表後、Gen Z層への観光プロモーション戦略を強化しており、SNS・インフルエンサー連携での若年層誘致に集中投資を進めている。
2026年の年間外国人観光客目標が3,000-3,400万人に下方修正される中で、Gen Z層の長期滞在・繰り返し訪問は安定収益源として位置付けられている。
課題と今後
バンコクが「Gen Zの世界一住みたい都市」に選ばれたとは言え、課題も存在する。
- : PM2.5問題が乾期に深刻化
- : 中心部の慢性的混雑
- : 富裕層と低所得層の生活格差が顕著
- : タイ語環境が長期定着の障壁
- : 不安定な政情と憲法問題

