タイ内務省地方行政局は2026年4月9日、ソンクラーン期間(4月10〜16日)の安全確保を目的に、国家警察・観光警察・医療機関・保健省・運輸省の5機関と合同作戦「ソンクラーン・セーフ・アンド・ケア」を立ち上げた。作戦発足会見には地方行政局次長のウィトゥン・シリヌクン氏が出席し、ソンクラーン期間中の全国一斉監視体制を説明した。
同作戦の柱は3点だ。第一に、全国のホテルや娯楽施設に対する事前立入検査で安全基準の遵守を確認する。第二に、観光客が集中する地区に巡回チームを配置して事件・事故への即応体制を整える。第三に、酒気帯び運転取り締まりと交通規制を強化する。
ソンクラーンはタイ正月にあたる水かけ祭りで、毎年4月中旬に開催される。観光客と帰省者が大移動するこの期間は交通事故・水難事故・暴力事件が集中する「7危険日」とも呼ばれる。2025年のソンクラーン期間中には全国で交通死亡事故が300件以上、死者350人超を記録した(国家道路安全対策センター)。
政府の安全対策は毎年強化されているが、全国3万以上の道路・水辺スポットを網羅するのは人員面でも限界がある。地方行政局は今回初めて、地域のコミュニティ自治会(อบต.)にも連絡体制への参加を求め、草の根レベルでの見守り網を構築しようとしている。
バンコク都内では2026年のソンクラーン期間中、シーロム通りやカオサン通りなどの主要水かけスポットに監視カメラを増設し、AIを活用した異常行動検知システムを試験導入した。観光地プーケットやパタヤでも外国人観光客向けの多言語案内と救急連絡先の掲示が強化された。
タイの2025年の外国人観光客数は3400万人超(観光スポーツ省)で、ソンクラーン期間だけで推定200〜300万人が訪れた。観光客の安全は収益と国のイメージに直結するため、省庁横断の取り組みが毎年スケールアップしている。