ノースバンコク大学が実施した世論調査「ノースバンコクポール」の最新結果が、燃料価格の高騰がソンクラーン連休の過ごし方に深刻な影響を及ぼしている実態を浮き彫りにした。調査によると、タイ国民の多数派が今年のソンクラーンは自宅で過ごすと回答しており、例年のような帰省ラッシュや観光地の賑わいは大きく後退する見通しである。
背景にあるのは、ホルムズ海峡の緊張に端を発した世界的な原油価格の急騰である。タイ国内ではディーゼル価格がリッター50バーツを超え、ガソリンも歴史的な高値圏で推移している。チャイナート県ではバイクタクシーの大半が営業を停止するなど、庶民の移動手段そのものが揺らいでいる状況だ。
調査では、移動を控える理由として燃料費の負担増が圧倒的多数を占めた。長距離の帰省を断念し、近場で過ごす層や、水かけ祭りへの参加自体を見送る層が目立つ。ソンクラーンはタイ最大の国民的行事であり、観光業や地方経済にとって年間最大の稼ぎ時でもあるため、消費の冷え込みは各地の経済に波及する恐れがある。
回答者の多くは、政府に対して燃料価格の抑制策や補助金の拡充を求めている。実際に政府はエネルギー委員会を通じて精製マージンの引き下げに動いているが、国際原油市場の先行きが不透明な中、即効性のある対策には限界がある。
例年であれば主要4空港だけで370万人の旅客が見込まれるソンクラーン期間だが、今年は「静かな正月」を象徴する連休となりそうである。燃料危機が国民の最大の祝日まで変容させた現実は、エネルギー安全保障の脆さを改めて突きつけている。