メーホンソーン県メーサリアン郡のドイラックセーンで大規模な山火事が発生し、地上部隊では消火が追いつかない状況に陥っている。郡長のウォラサック・パーントーン氏は4月9日、県知事に対して航空機の派遣を緊急要請したことを明らかにした。
火災は4月8日に同郡フアイプー貯水池付近で確認され、行政当局はただちに義勇消防隊を現場に投入した。しかし消火活動が可能だったのは徒歩でアクセスできる平坦部に限られ、急峻な山岳地帯にある火元の中心部には到達できていない。部隊は集落への延焼を防ぐ防火線の構築に専念している状態である。
ドイラックセーンは標高が高く傾斜も急なため、地上からの消火活動には大きな制約がある。郡長は「人力での対応は限界を超えた」と述べ、航空機による空中消火が不可欠との認識を示した。現場周辺では依然として濃い煙が立ち込めており、微小粒子状物質(PM2.5)の基準値超えが懸念されている。
大気汚染の軽減策として、地元自治体や行政機関は道路や主要施設周辺での散水作業を実施し、空気中の湿度を高める対策を進めている。タイ北部では乾季のこの時期、山火事が各地で同時多発しており、隣県チェンマイでもホットスポットが前日比4倍に急増するなど深刻な状況が続いている。
ソンクラーン連休を前に北部一帯の大気質が悪化しており、住民や旅行者への健康被害が現実味を帯びてきた。航空機の投入が実現するかどうかが、事態の沈静化に向けた大きな分岐点となる。

