ラチャブリー県で1歳の男児が義父から暴行を受けて死亡した事件で、義父が詳細な供述を行った。男児がぐずって泣き止まなかったため平手で叩いたところ意識を失ったと説明。その後、電気を使って意識を戻そうとしたが失敗したと証言している。事件当時、実母も現場に居合わせており、警察が詳しい経緯を調べている。
義父の供述
警察の取り調べに対して義父は「男児が長時間泣き続けて止まらなかったので、怒りが抑えられなくなり平手打ちをした。するとすぐに意識を失った」と述べた。
意識を取り戻そうとして取った行動が問題だ。義父は「魚や川エビを捕獲するための電気ショッカー(ที่ช็อตปลา)を使って体に電気刺激を当てた」と供述した。電気ショッカーは農村では魚捕りの道具として使われるが、人体、特に乳幼児への使用は非常に危険で、死亡リスクが高い。
この「蘇生方法」が誤りであることは明らかだが、義父が緊急処置として選んだことは、正しい応急処置に関する知識のなさを示している。
実母の関与
事件当時、実母も現場にいたことが捜査で判明している。子供が暴力を受けている際に止めなかった可能性があり、共犯または不保護(見て見ぬふり)の疑いで調べが進んでいる。
「母親が目の前で子供を守らなかった」という事実は世論の怒りを招き、タイのSNSでは「母親も同様の責任がある」という批判が相次いだ。
児童虐待の背景
タイの児童虐待事件は、農村部や低所得世帯での発生率が高い傾向がある。ストレス管理能力の低さ、飲酒習慣、育児に関する知識不足が組み合わさることで「衝動的な暴力」が起きやすい環境が生まれる。
タイの子どもの保護機関(DSDW、社会開発・人間安全保障省)の統計では、2025年に確認された18歳未満の虐待件数は約4,500件だったが、実際の件数はこれを大幅に上回るとされる。
警察の対応
警察は義父を緊急拘禁し、「幼少者への加重傷害致死罪」に相当する刑事容疑で起訴手続きに進んだ。被告を公衆の面前に連れ出す「犯行再現(ทำแผน)」は、群衆による私的制裁のリスクがあるとして一時見合わせられた。