チャチューンサオ県の徴兵検査会場で2026年4月3日、明らかに体重過多の青年が注目を集めた。BMI基準を超えていたため不合格となり帰宅を許されたが、その体型はタピオカミルクティーを毎日2杯、3か月間飲み続けて「作り上げた」ものだった。30kgの増量で徴兵を回避した青年のTikTok動画は、タイ全土で拡散した。
動画の内容
会場にいた兵士が投稿したTikTok動画がバイラルになった。兵士は「他の人は痩せようとするのに、この子は増やす方を選んだ」とコメントを付け、満面の笑みを浮かべる青年を映している。
青年はインタビューで秘訣を明かした。「チャイノムチンジュー(タピオカミルクティー)を1日2杯、3か月間飲み続けた。目標の30kg増量を達成してBMI基準を超えた。これで兵役は免れた。ダイエットは今夜から始める」と自信満々に語った。
タイの徴兵制度
タイでは21歳の男性全員に徴兵検査の義務がある。毎年4月に各地の軍区で実施され、まず身体検査を行う。BMIが基準値を著しく超える、または著しく低い場合は「身体検査不合格」として即日帰宅となる。
身体検査を通過した男性がくじを引き、赤札を引いた者が2年間の兵役義務を負う。青札なら免除となる。くじの前に不合格になれば、くじを引く必要もないため、意図的にBMI基準を外す若者が毎年一定数いる。
「兵役回避」の多様な戦略
タイの徴兵シーズンには毎年ユニークな戦略が話題になる。大量のお守りを首からぶら下げて「神頼み」で臨む青年、女装して会場に現れる青年、入れ墨を理由に不合格を狙う青年などが報告されている。今回のタピオカミルクティー作戦は、3か月という計画性と確実性の高さで際立っていた。
BMIの計算式は体重(kg)÷身長(m)²で、タイ軍の一般的な基準では上限が35程度とされる。30kgの増量はBMIに換算すると身長170cmで約10ポイントの上昇に相当し、ほとんどの場合で基準超過となる。
社会的反応
動画は数百万回再生され、「天才」「発想が勝ち組」などの反応が殺到した一方、「兵役義務を逃れることは国家への裏切り」という批判も寄せられた。タイでは徴兵制度の廃止を求める声が若者を中心に上がっており、こうした「兵役回避」の話題が毎年注目を集める背景には、徴兵制度そのものへの不満がある。
国防省のデータによると、タイの現役兵士数は約36万人で、徴兵による補充は年間数万人規模だ。大学進学や資格取得で兵役を猶予できる制度もあり、高学歴者ほど回避手段が多い。今回のような「BMI作戦」は、そういった手段を持たない若者が選ぶ方法の一つでもある。