野党・国民党のタウィー・ソッソーン党首が4月1日、タイの石油価格決定メカニズムに関してエネルギー政策委員会(กบง.)の4つの決定を国会で批判した。「国民から金を吸い取るカラクリだ」と断じ、構造的な見直しを求めた。
タウィー氏の主張の核心はこうだ。タイ国内のガソリンスタンドで今日売っている石油は、3か月前に輸入した原油から精製されたものである。3か月前の原油価格は現在より遥かに安い。にもかかわらず、価格はシンガポール市場の「今日の卸売価格」を基準に設定される。その差額は精製業者の利益になっているというのだ。
さらにタウィー氏は、タイ国内で精製した石油であるにもかかわらず、シンガポールからの「想定輸送費」と「想定保険料」が上乗せされている点を指摘した。タイは日量123万バレルの精製能力を持ち、国内消費の大部分を自国で精製している。シンガポールから運んでいないのに輸送費が加算される構造は不合理だと主張する。
タウィー氏がエネルギー政策委員会の問題とした4つの決定は以下の通りだ。
- シンガポール参照価格の維持 — 国内精製コストとの乖離を放置し、精製業者に過大な利益を与えている
- 石油基金の赤字拡大を容認 — 累積421億バーツの赤字を国民負担に転嫁する構造
- 価格上限の段階的撤廃 — 消費者保護の後退
- 備蓄石油の実態調査の不実施 — 精製業者が安い原油で精製した在庫を高値で売り抜けている疑惑を見逃している
政府はシンガポール市場を参照する理由として、アジア太平洋地域の石油製品取引の大部分がシンガポールで行われており「実際の需給を最も公正に反映する」と説明している。PTT(タイ国営石油会社)も「国際的な標準慣行」との立場を崩していない。
だが燃料危機で国民の不満が頂点に達した今、この「国際標準」への疑問は政治的な追い風を得ている。エクニティ新エネルギー対策本部長が精製マージンの見直しに着手する方針を示しており、価格構造改革が進むかが焦点だ。
タウィー氏は「国内で売る石油は、国内の実際の精製コストに基づいて価格を決めるべきだ」と主張する。仮にこの方式が採用されれば、理論上は数バーツの値下げが可能になるが、国際市場との整合性をどう取るかという課題が残る。



