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利益相反で更迭のピパットに代わりエクニティがエネルギー対策本部長に、ラオスへの石油は海外調達に切替え

利益相反で更迭のピパットに代わりエクニティがエネルギー対策本部長に、ラオスへの石油は海外調達に切替え

経済出典:Prachachat2026/04/01 10:00

アヌティン首相がエクニティ副首相をエネルギー対策本部長に任命。PTG Energyとの利益相反で追及されたピパット前任を事実上更迭。ラオスへの石油輸出を海外調達に切り替え、国内供給を増やす方針。

アヌティン首相が4月1日、エクニティ・ニティハンクン副首相兼財務相を経済・エネルギー対策本部(ศบก.)の責任者に任命した。前任のピパット副首相がPTG Energy(ガソリンスタンド大手)との利益相反を追及され事実上の更迭となったことを受けた人事だ。

ピパット・ラチャキットプラカーン副首相は燃料トレーダー出身で、家族がPTG Energyの株式を保有している。燃料危機の最中にエネルギー政策を統括する立場にいたことが国会で集中砲火を浴びた。野党は「PTGが燃料危機で利益を得ている」として解任を要求。ピパットは「利益相反はない」と反論しつつも、「もう放してくれ」と辞退を申し出た。

運送会社オーナーがPTガソリンスタンドのボイコットを宣言するなど、国民の怒りは収まっていない。PTG Energyはタイ全土に2,000か所以上のスタンドを展開する大手であり、ボイコットが広がれば経営への影響も出かねない。

エクニティは就任と同時に3つの方針を示した。

  1. 価格の透明性: エネルギー価格の構造を開示し、国民のパニックを抑える。精製マージン(ค่าการกลั่น)の見直しにも着手する
  2. 深夜発表の廃止: 燃料価格の変更発表を20時までに制限。記者会見も週3回(月・水・金)に集約する
  3. 電気代の抑制: 5〜8月の電気料金を3.88バーツ/単位で維持する方向で調整。200単位以下の世帯は3バーツ/単位への引き下げも検討中

注目すべきは、タイがラオスに輸出している石油製品(日量約400万リットル)を海外調達品に切り替える方針だ。PTTが海外から精製済みディーゼルを調達してラオスに回し、国内精製分を100%国内消費に充てる「玉突き」方式を検討している。実現すれば国内供給が日量約500万リットル増える計算だ。

タイは日量17万バレルしか原油を産出できず、消費量137万バレルの85%を輸入に依存している。石油基金の赤字は421億バーツに膨らみ、財政的な余裕はない。エクニティが財務相とエネルギー対策の両方を担うことで、基金の運営と価格政策を一元的に管理する体制になった。