タイ中央銀行(BOT)が2月の経済指標を分析し、「経済は前回の評価時より明確に減速している」と公式に警告した。カシコン・リサーチ・センターとの合同ブリーフィングでは、中東の戦争が数か月続けばGDP成長率が0.5%まで落ち込む可能性があると言及した。
中銀の金融政策委員会(MPC)は、タイ経済が「潜在成長率を下回る」状態に入ったと評価している。従来のGDP予測は1.5%だったが、中東情勢の長期化で下方リスクが大幅に増大した。
3経済団体もGDP予測を1.2〜1.6%に引き下げており、公的機関と民間の見方が一致した形だ。
MPCは「金融政策だけでは不十分で、財政措置との連携が必要だ」と明確に述べた。エネルギーショックは供給側の問題であり、利下げの効果が限定的であるためだ。
具体的には、燃料補助金の持続可能な設計、物流コストの抑制策、脆弱層への集中支援が必要だとしている。石油基金は421億バーツの赤字で補助金の余力がなく、ディーゼルは1週間で34%急騰している。
SCB X(サイアム商業銀行持株会社)のアティットCEOも「現在の危機は1997年や2008年、コロナとも性質が異なる。現金給付ではなくテクノロジー投資への構造転換が必要だ」と警鐘を鳴らした。
タイ銀行協会は戦争の影響で一部の企業が生産を停止、または一時閉鎖に入っていると報告した。脆弱なセクターの監視を強化するとしている。
0.5%成長は実質的なゼロ成長に近く、2020年のコロナショック(-6.1%)以来の深刻な水準だ。タイのGDPは約5,000億ドル規模で、1%の低下は約50億ドル(約7,500億円)の経済活動が消失することを意味する。
新エネルギー対策本部長のエクニティ副首相が中銀の警告をどう政策に反映するかが当面の焦点だ。



