2026年3月27日、タイ野生動物保護局は「ノンヌアンホーム」と名付けられた子ガウル(野生のバイソン)に義足を装着し、ナコンナーヨック県の野生動物回復センターへ移送したと発表した。2025年12月に罠に足を絡まれて保護されて以来4か月近くの治療が続いていた。
保護の経緯
事の始まりは2025年12月2日だ。カオヤイ国立公園の監視員が、ナコンラチャシマー・プラチンブリ県境のワンボー滝付近で、生後約6か月のメスのガウルが狩猟用ワイヤー罠(スリング)に右前足と右後足の両方が絡まっている状態で発見した。母親ガウルが近くで見守っており、この様子が関係者の心を動かした。
スタッフは素早く救出を決断。足首の傷は深く骨に達しており、右後足は感染症の広がりを止めるために切断せざるを得なかった。
義足の製作と装着
カオヤイ国立公園内の家畜病院(Nakhon Ratchasima clinic)で数週間の入院治療の後、義足の製作が始まった。関係者には地元寺院の住職・専門獣医師・民間支援者らも加わり、協力して適切なサイズ・素材の義足を準備した。
2026年3月27日、義足装着と共にナコンナーヨック県の野生動物リハビリ施設(センター1号)への移送が完了した。同施設では長期リハビリプログラムが開始された。
タイの野生動物保護体制
タイでは野生動物の保護・救護活動が国立公園・野生生物・植物局(DNP)が中心となって行われている。今回のような重傷動物には、民間の獣医師・支援者・地域住民のボランティアも協力する。
ガウルは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「脆弱(VU)」に指定されており、密猟・生息地破壊によって生息数が減少している。タイではカオヤイ・フアイカーケーン・ドーイインタノンなどの国立公園に生息している。
今回の「ノンヌアンホーム」のケースはSNSで広く共有され、野生動物保護への関心を高める機会となった。義足をつけた子ガウルのリハビリの過程が、多くの人の感動を呼んでいる。