タイ動物虐待防止協会(Thai Society for the Prevention of Cruelty to Animals、TSPCA)が2026年5月7日、バンコク都ノーンケーム区ペッチャカセム81ソイ20の住宅で、飼い主が刑事事件で勾留中のため餌やりが滞り痩せ細った25匹の猫を救助した。複数の動物保護財団に支援要請したが満杯で断られていた状況下、TSPCAのサティット・プラチャヤアリヤクン理事兼事務局長が現地入りし、里親探しの連携を急ぐ。
5/7にTSPCAが現地入り、25匹を救助
通報を受けたTSPCAは、サティット理事率いるチームを5月7日にペッチャカセム81ソイ20の住宅に派遣。25匹の猫の状態を確認したところ、いずれも明らかに痩せ細った状態で、十分な栄養を取れない期間が続いたと判断された。
現地での緊急対応として、まず食料・水の供給を再開。25匹を一括で連れて行く施設の確保が困難なため、当面は現場での給餌と健康管理を継続しつつ、各匹の里親候補を並行して募るアプローチが取られている。
飼い主が刑事事件で勾留、複数財団から定員満杯で断られていた
事案の背景には、猫たちの飼い主が現在刑事事件で勾留中という事情がある。飼い主が日常的な餌やり・水替え・健康管理を行えない状態となり、近隣の善意の人々が時々餌を持参していたが、安定的な世話には繋がらなかった。
支援要請者は事前に複数の動物保護財団に連絡を取っていたが、いずれも「収容定員が満杯」を理由に支援を断っていた。タイの民間動物保護団体は慢性的な収容能力不足を抱えており、25匹規模の猫を一度に受け入れられる施設は限定的。最終的にTSPCAが緊急対応を引き受けた経緯がある。
痩せ細った猫の里親探し連携を急ぐ
TSPCAは現状救助に加え、25匹の猫の安定的な引き取り先(里親または保護施設)の探索を加速している。タイの里親文化は地方都市では一定程度浸透しているものの、25匹規模を分散して引き取る場合、SNS拡散・地域コミュニティのネットワーク・他団体との連携が不可欠となる。
各匹の年齢・健康状態・性格の違いから、引き取り先のマッチングには時間がかかる見込み。短期的には現場での給餌継続、中期的には10〜25匹を分散して引き取る計画的なオペレーションが必要となる。
タイの飼い主不在動物の課題と支援ネットワーク
今回のケースは、飼い主が突然動物の世話を行えなくなった際の社会的セーフティネットの課題を浮き彫りにした。タイでは年齢を問わず多頭飼育の家庭が珍しくなく、飼い主の刑事事件・病気・死亡で残された動物が餌不足に陥る事案が散発する。
在タイ日本人駐在員にとっても、ペット多頭飼育の家庭で長期不在(本帰国・出張・病気入院)が発生した際の体制整備は、現実的な検討事項。地域の動物病院、ペットシッターサービス、TSPCAなどの民間団体との繋がりを事前に確保しておくことが、万一の際の動物福祉を守る基本となる。