タイで毎年4月に行われる徴兵検査のくじ引きが4日、ウタイターニー県タップターン郡の公民館で実施された。すでに119人が選抜されていたが、あと33人の兵士が必要とされ、対象者たちは赤札(徴兵)か黒札(免除)かを決める運命のくじ引きに臨んだ。
会場は家族や友人で埋め尽くされ、最初の1人目がいきなり赤札を引くと、悲鳴と歓声が入り混じった叫びが響き渡った。猛暑と人混みの中で応援に駆けつけた3人が相次いで失神し、救急隊が病院に搬送する騒ぎとなった。
注目を集めたのは、くじ引きに参加した2人の僧侶である。タイでは僧侶であっても、仏教教育で一定の学位を持たなければ徴兵免除にはならない。最初の僧侶が黒札を引くと「出家を続けられるぞ!」と周囲から歓声が上がった。しかし2人目の僧侶が赤札を引くと、本人は顔面蒼白に。袈裟を脱いで軍服に着替える日が確定した瞬間であった。
最もドラマチックだったのは最後の5人である。残る赤札はわずか1枚。それまで騒然としていた会場が一転して静まり返り、緊張感に包まれた。最初の1人が箱に手を入れ、引き出したのは赤札だった。残る4人は安堵で涙を流し、会場は大きなため息に包まれた。
今年の徴兵対象者は全国で約47万7,000人。軍が必要とする約8万4,000人のうち、約2万2,000人がオンラインで事前に志願しており、残りの約6万2,000人がくじ引きで選ばれる。先日はノンタブリー県で志願率が100%に達し、名物のくじ引き自体が不要になったケースも報じられた。しかし多くの地区では依然として「赤か黒か」の1枚が若者の人生を左右している。
