タイ民衆党(PCN、Phak Prachachon)所属のパンティル・ヌアムジョーム下院議員(バンコク選出)が5月5日午後、4月30日の国会本会議で「区長(กำนัน)・村長(ผู้ใหญ่บ้าน)が薬物に関与している」と一括して指摘した発言を陳謝した。サムヤン・ミットタウンで取材に応じ、表現を「全員」ではなく「一部」とすべきだったと反省した。
問題の発言は4月30日の本会議で行われ、地方の最末端で住民と直接接する区長・村長を職位ごと薬物関与者として括ったものだった。これに対して各地の自治体トップが反発し、5月5日にはアーントン県ムアン郡で月例会議終了後に議会場を閉鎖して区長・村長への一斉尿検査を実施するという反証行動につながっていた。
パンティル議員は、自身が「区長・村長は全員」と一括した点が誤りだったと認めた。実際にはクロントイ地区での薬物入手の容易さに関する住民からの苦情が出発点で、当局による取り締まり強化を求める意図だったと説明した。クロントイ住民を貶める意図ではなく、自身もクロントイの出身であると強調している。
通報者を一般論にすり替えた理由として、特定の通報者が判明すると地元コミュニティで報復のリスクが生じるため、あえて発言を一般化したと釈明した。一方で、その結果として職位そのものへの不信感を煽ってしまった点については「全員ではなく一部か、と表現すべきだった」と反省を示した。
5月6日に予定されている国会本会議で、議長の許可を得て再度発言の機会を求める方針も明らかにした。陳謝は対面で区長・村長側にも届ける形で、合わせて手を合わせて謝意を示したという。アーントン県で実際に尿検査が行われ全員陰性となったことが、議員の発言を「事実無根」として象徴する形となり、政治家側が一般論で職位を批判するリスクを浮かび上がらせる事案となった。