タイ国際空港での入国時、スマートフォンの中身を入管当局に検査される可能性があることが、タイ移民法と出入国管理局のガイドラインへの問い合わせが増えたことで改めて注目されている。実際にスマホを見せるよう求められたケースはごく限られているが、法的根拠と実際の運用はどうなっているのか。
タイの出入国管理法(Immigration Act B.E.2522)では、入国審査官は入国者の審査に必要な範囲で書類・所持品の確認を求めることができると規定している。スマートフォンの内容検査はコンピュータ犯罪法(CCPA)や特定の捜査令状が必要なケースが一般的だが、「不審な点がある」と判断された場合は入管審査の一環として説明・提示を求められる場合がある。
実際のケースとして多いのは、ビザ取得目的(観光目的の申告が疑わしい場合)の確認で、旅行計画・宿泊先・連絡先メッセージなどを見せるよう求められることだ。タイへの就労目的での入国を観光と偽るケース・薬物密輸・出会い系目的のケースなどで活用される。タイ観光ビザは「就労禁止」が条件のため、メッセージ・Email・SNSから就労の痕跡を確認しようとすることもある。
一般的な観光客・ビジネス渡航者がスマートフォンの検査を求められることは非常に稀だ。タイ出入国管理局(2024年)の公式見解でも「日常的なスクリーニングでの機器検査は行っていない」とされている。しかし法的根拠は存在するため、「絶対に求められない」とは言い切れない。
これを踏まえた実用的な対策として、機密情報の端末には入れない・使い分けの旅行用スマートフォンを持参する・クラウドバックアップを活用するなどの手段がある。タイ旅行・長期滞在の際は最低限の準備が有益だ。