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タイのSME200万社が危機 燃料高騰で700万人の雇用にリスク

カシコン研究センターがSME200万社(全体の61%)が経営危機に直面し、700万人の雇用がリスクにさらされると分析。電力関連のコスト増加率は41%に達する。

カシコン研究センター(カシコン銀行系シンクタンク)は、中東紛争の長期化によりタイの中小企業(SME)200万社超が経営危機に直面し、700万人以上の雇用が脅かされるとの分析を発表した。

影響を受けるSMEは全体の61%に相当する。エネルギー、輸送、肥料、プラスチックなどの原材料コストに依存する業種ほど打撃が大きい。業種別のコスト増加率は、電力関連が41%と最も高く、ゴム・プラスチック37%、運輸36%、化学30%、繊維25%と続く。水産業は20%、農業は15%の上昇が見込まれる。

ホテル・飲食業(8%)や卸売・小売業(6%)は相対的にコスト上昇率が低いものの、これらの業種は元々利益率が薄いため、数パーセントの上昇でも経営を圧迫する。タイのSMEは国内雇用の大部分を支えており、200万社の経営悪化は雇用市場に連鎖的な影響を及ぼす。

700万人という失業リスクの数字は、タイの労働人口約3,800万人の約18%にあたる。燃料危機が6カ月以上続けば、中小の運送業者や食品製造業者の中には事業継続が困難になるケースも出てくると予想される。

SMEの資金繰りも悪化している。同日発表された別の調査では、第1四半期のSME融資需要が大幅に減少しており、金融機関も貸し出しに慎重になっている。コストは上がるが借り入れは難しくなるという二重苦だ。

政府は商務省を通じて便乗値上げや買い占めの取り締まりを強化しているが、コスト増加分をどこまで価格に転嫁できるかはSMEの体力次第だ。NESDB議長が警告した「2年間のエネルギー危機」が現実になれば、タイの中小企業と雇用の風景は大きく変わる可能性がある。

出典:カシコン研究センター