タイ南部プーケットで、ムエタイを学びに来ていたイギリス人の男が、酒に酔って騒ぎを起こしたとして逮捕された。男は2日続けて住民に迷惑をかけており、2日目には泥酔状態で暴れ、警察の制止にも抵抗して逃げようとしたという。現場は、世界中からムエタイ修行者が集まることで知られるソイ・タイアード。多くの外国人がまじめに汗を流す一角での出来事だった。
イギリス人のブラウン容疑者をめぐる最初の騒ぎは6月1日、チャロン地区のソイ・タイアードで起きた。男は住民の家のドアを激しくたたき、家の外に置いてあったレインコートとバイクのヘルメットを持ち去ろうとしたとされる。このときは警察が注意し、住民も被害届を出さなかったため、男は自宅まで送り届けられた。
ところが翌6月2日、同じソイ・タイアードで再び問題を起こす。男はひどく酔っており、ろれつの回らない様子で、にぎわうムエタイの練習エリアで騒ぎを起こした。駆けつけた警察に対して抵抗し、その場から逃げようとしたが、取り押さえられてチャロン警察署に連行された。
警察は男を、公共の場で泥酔し、自制を失うほど秩序を乱す行為をしたとして立件した。タイでは、公共の場で酔って他人に迷惑をかける行為は法律で罰せられる対象となる。捜査を率いるバンディット・カムケーオ警部補によると、すでに法的手続きが進められているという。
プーケットのチャロン地区にあるソイ・タイアードは、ムエタイジムやフィットネス施設が密集する一帯で、「ムエタイの聖地」とも呼ばれる。減量や体づくり、本格的な格闘技修行を目的に、世界中からファイターや愛好者が数か月単位で長期滞在しながら稽古に励む、特別な場所として知られる。その大半は、地元の文化に敬意を払い、礼儀正しく練習に打ち込んでいる。今回のような一部の迷惑行為は、まじめに通う外国人にとっても、受け入れる地元にとっても残念な出来事といえる。タイで羽目を外しすぎれば、楽しいはずの滞在が一転して台無しになりかねない。