カンボジアが6月2日、タイとの海洋境界紛争を解決するため、国連海洋法条約(UNCLOS)にもとづく調停手続きを始めたと、国連とタイ政府に通知した。両国はタイランド湾で重なり合う海域の権利を争っており、その広さは約2万6,000平方キロメートルにのぼる。海底には3,000億ドル(約46兆円)規模ともいわれる石油・天然ガスが眠るとされ、主権と巨大なエネルギー権益がからむ問題だ。
2001年の覚書をタイが破棄、対立が再燃
今回のカンボジアの動きは、タイ側の決定がきっかけになっている。両国は2001年、重複する海域の扱いを話し合うための枠組みとして覚書(MOU)を結んでいた。しかしタイ政府は4月にこの覚書を一方的に破棄する方針を決め、5月に正式に承認した。交渉の土台が失われたことを受けて、カンボジアは国際的な手続きに訴える形で対抗したとみられる。報道によると、カンボジアはタイに対し、21日以内に調停人を任命するよう求めている。
2万6,000平方キロの重複海域
争いの舞台は、タイランド湾にある約2万6,000平方キロメートルの海域だ。両国の主張が重なり、どちらの管轄かが定まっていない。この海域の地下には豊富な石油・天然ガスが見込まれ、タイのエネルギー省は埋蔵の潜在価値を約3,000億ドルと試算している。漁場としても重要で、エネルギー、漁業、そして主権が一度にからむため、双方とも簡単には譲れない事情がある。



