タイ・プーケット島南部の海沿い観光地ラワイで、39歳のオーストリア人男性ラファエル氏(姓伏せ)が路上生活を続けていた末に、5月19日にバイクで交通を妨害しつつ通り過ぎる外国人ライダーがコンビニで止まると寄ってきて金銭を要求する様子がSNSで動画拡散され、5月25日までに移民局が学生ビザを取消、強制送還の手続きが開始された。タイ移民法B.E. 2522(1979年)第54条に基づく措置で、ラファエル氏は学生ビザで滞在していたものの「就学条件を満たしていない」(教育活動に出席していない)状態だったとされる。移民局は「外国人が法律に違反したり、公共の迷惑行為を引き起こす場合は、例外なく法的措置と強制送還の対象になる」との立場を改めて表明した。
ラワイの路上で生活、5月19日の動画が拡散
事案が起きたのはプーケット島南部のラワイ地区。ラワイは観光客向けのビーチエリアで、レストランやコンビニ、観光客向けの小売店が並ぶ。ラファエル氏(39歳、オーストリア国籍)は同地区の路上で生活していたとみられ、5月19日に撮影された動画では、ラファエル氏がオートバイで車線をゆっくり走って交通を塞ぎ、外国人ライダーがコンビニで停車するとそこに寄ってきて金銭を要求する場面が映っていた。動画はSNSで広く拡散し、外国人観光客や地元住民から繰り返しの苦情が寄せられる結果になった。
移民法第54条で学生ビザ取消、強制送還手続きへ
タイ移民局は5月19日以降の動画拡散と苦情を受けて捜査を進め、ラファエル氏のビザ状況を精査した。確認したところ、ラファエル氏はタイで「学生ビザ」で滞在していたが、ビザの条件に定められた教育活動に実際には出席していなかったことが判明。移民局はタイ移民法B.E. 2522(西暦1979年)第54条に基づいて、ラファエル氏の学生ビザを取消、タイに滞在する法的根拠を失わせた。同条項は「ビザ条件違反」と「公共の安全・秩序を害する行為」の両面で適用される。
ビザ違反+公共秩序の二重違反、強制送還が即決
ラファエル氏に対しては、ビザ条件違反(就学していない学生ビザ)と、公共秩序を害する行為(交通妨害+金銭要求)の両面から、移民局の取り締まり対象になった。学生ビザの取消が決定すれば、タイに合法的に滞在する権利は無効となり、強制送還手続きが直ちに開始される。逮捕後はプーケット島内の移民局拘置施設に身柄が移され、オーストリアへの送還航空券の手配と関係国(オーストリア大使館)との連絡が進められる流れとなる。
移民局「例外なく法的措置と送還の対象」
タイ移民局は今回の事案について、「外国人が法律に違反したり、公共の迷惑行為を引き起こす場合は、例外なく法的措置と強制送還の対象になる」との立場を改めて表明した。タイは観光業を主要産業とする国だが、その一方で長期滞在ビザの不正利用や、就労ビザ条件違反、公共秩序を乱す外国人の行為に対しては、移民法の枠組みで厳しく対応する姿勢を取っている。
プーケットの外国人滞在トラブル、観光業界の課題
プーケット島は世界的な観光地として欧米・ロシア・中東・東アジアからの長期滞在者と短期観光客が集中する一方、ビザ条件違反の長期滞在者・路上生活する外国人・SNSで物議を醸す問題行動などのトラブルが時々報じられる。本サイトでも2026年5月にプーケット・パトンで貸ロッカーから銃5丁が見つかった事案(スウェーデン人借主と連絡途絶)、19歳混血ドライバーによるトランス女性轢殺など、プーケットの外国人事案を伝えてきた。今回のラファエル氏の事案は、観光地と移民管理を両立する難しさを改めて浮き彫りにした形だ。

