タイ陸軍第2軍管区(กองทัพภาคที่ 2)は5月24日、カンボジア側が「同日午前9時24分から9時45分までに12発、10時10分にさらに10発、合計22発の小銃発砲をタイ側がオーセメット-チョンチョム地域で行った」と主張したことに対して、「事実ではない、実弾射撃は一切行っていない」と全面的に否定した。第2軍管区によれば、カンボジア軍兵士がタイの管理区域に接近する動きを示したことを受けて、警告音(警報音または空砲とみられる)を発したのみで、銃器の発砲は確認されていないと説明している。タイ-カンボジア国境では5月以降、双方からの「実弾射撃」の主張と否定の応酬が繰り返されており、現場のオーセメット-チョンチョム地域では緊張が継続している。
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カンボジア側『午前9:24-9:45に12発+10:10に10発、計22発』と主張
カンボジア軍はタイ-カンボジア国境のオーセメット-チョンチョム地域(タイ・スリン県側)で、5月24日午前9時24分から9時45分までの間にタイ管理区域から「小銃の音が12発」、続けて10時10分にも同じ場所から「10発」を聞いた、合計22発の実弾発砲があったと公式に主張した。カンボジア軍は「タイ側の挑発」「国境地帯の安定を損なう行為」として強く非難する立場を取っている。
タイ第2軍管区「実弾射撃なし、警告音のみ」と全面否定
タイ陸軍第2軍管区はこの主張に対し、「カンボジア側の主張は事実ではない、実弾の発砲は一切行っていない」と即座に否定した。第2軍管区の説明によると、カンボジア軍兵士がタイ管理区域に接近する動きを示したため、警告のための音(警報音または空砲の可能性が高い)を発したことは認めるが、それは小銃による発砲ではなく、衝突回避のための威嚇行為だったとされる。
焦点はカンボジア軍のタイ管理区域への接近
第2軍管区が「警告音を発した」理由として強調しているのは、カンボジア軍兵士がタイ管理区域に接近する動きをみせたという事実関係。今回の現場であるオーセメット-チョンチョム地域は、本サイトでも5月10日に「タイ第2軍管区がASEAN代表団とオーセメット・スキャム拠点視察」を伝えており、ASEAN観測団も入っている地域。この地域で双方の軍が至近距離で対峙する場面が継続しており、些細な動きが射撃の応酬主張に発展する状況になっている。
5月以降繰り返される双方の主張と否定
タイ-カンボジア国境の射撃をめぐる主張と否定は5月以降、繰り返し報じられてきた。5月13日にカンボジア軍が国境オーセメットで11発発砲、タイは警告射撃と24時間警戒態勢に入った事案、5月14日のタイ陸軍報道官「カンボジア国境発砲は日常化、挑発狙い」発言、同日のカンボジア国防省が11発発砲を全面否定する声明と、双方が事実認定をめぐって対立する構図が定着している。今回の22発主張+全面否定もこの流れの中に位置付けられる。
サケオ・スリン・ブリーラム・ウボンラチャタニーで移動注意+重火器使用なし
オーセメット-チョンチョム地域は観光・商業の主要ルートから外れており、現時点で日本人観光客や在タイ邦人への直接的な治安影響は確認されていない。ただし、サケオ・スリン・ブリーラム・ウボンラチャタニーなどの国境県では、引き続き周辺地区での移動に注意が呼びかけられている。タイ陸軍は重火器の使用は行っていないとしており、政府は国民に「冷静な対応」を求める立場を維持している。