タイ消費者保護局(SCB)に2026年5月16日、エージェント会社が日本・韓国・欧州行きの航空券を偽プロモーションで販売し、購入者にチケットを渡さず、被害総額が10M(約4,600万円)超に達した詐欺事件の被害者団体が訴えに駆け込んだ。スパマス・イシラパクディ首相府担当大臣(SCB所管)は記者会見で「特別タスクフォースを設置、SCB+PCB(消費者保護+警察)連携で取締・刑事追及」と発表した。当初は実際にチケットが届いて旅行できる「ポンジ的手口」で口コミを広げ、4月以降に渡券停止と追加請求でユーザーを欺いた構図。在タイ日本人駐在員の帰省・休暇航空券購入でも警戒すべき事案だ。
「日本・韓国・欧州フライトの偽プロモーション」がカモに
被害の手口は典型的なポンジスキーム的詐欺だ。あるエージェント会社が、航空会社の偽プロモーション(特別割引)を装って、日本・韓国・欧州行きフライトの航空券を販売開始。「正規価格より大幅安」という触れ込みで顧客を惹きつけた。初期の購入者には実際にチケットが届き、海外旅行ができたため、SNSや知人間での口コミで評判が広まり、被害者が雪だるま式に増えていった。タイの中産階級では「日本旅行」「韓国旅行」「欧州旅行」が高い人気で、割安エージェントへの信頼性も高い土壌があった。
4月から渡券停止、追加料金請求の二次被害
事態が暗転したのは2026年4月。エージェント会社は突然チケットの発行を遅らせ始め、「燃料サーチャージと空港税の差額」という名目で追加料金を顧客に請求し始めた。追加振込を行ってもチケットは届かず、返金要求にも「期日不定の延期」で応じる手口。出発予定日が迫っていた被害者は、ホテル予約のキャンセル料・現地ツアー費用などを含む二次被害も負担することになった。被害総額は10M Bを超え、SCBに集団で苦情を申し立てた。
SCB+PCB連携で刑事追及、特別タスクフォース設置
スパマス・イシラパクディ首相府担当大臣は5月16日の発表で、(1)SCB特別タスクフォース設置、(2)被害者向け緊急通報窓口の開設、(3)SCB+PCB(消費者保護局+警察消費者保護犯罪抑止部)連携での捜査・刑事追及、を指示した。罪状は刑法上の詐欺・公衆を欺く行為・不正商行為などが想定され、最長10年以上の懲役と数百万バーツの罰金が科される可能性がある。被害者向けには弁護士無料相談・集団訴訟支援も検討される。
駐在員家庭の対策
タイ駐在員家庭で日本帰省・欧州旅行のフライトをエージェント経由で買う際、(1)正規航空会社サイトまたはIATA認定エージェントを選ぶ、(2)「特別プロモーション」と称する非公式の安値割引には警戒、(3)現金一括払い・銀行振込での前払いを避け、クレジットカード払い(チャージバック可能)を選ぶ、(4)購入後すぐに航空会社の公式予約確認サイトでチケット番号を検証、を意識するのが現実的だ。今回の被害者は数十万バーツの個人損失を抱えており、家族の年次帰省計画が破綻したケースもある。万一被害に遭った場合は、SCBホットライン1166、ツーリスト警察1155、または日本大使館領事部02-207-8500に連絡する。