タイ北部パヤオ県のクワンパヤオ湖畔で2026年5月15日、38歳の日本人男性ヒロキ・カミヤマ氏がHonda Wave 110iを盗み逃走、同日同じ場所に戻って2台目を盗もうとしたところ商人と被害者に取り押さえられ、ムアンパヤオ警察署に身柄を引き渡された。地元住民は「スキャマー(オンライン詐欺の関係者)が地域に潜伏しているのでは」と推測している。在タイ日本人としても、日本国籍の容疑者によるタイでの窃盗事件は珍しい事案で、波紋が広がっている。
クワンパヤオ湖畔でHonda Wave 110iが窃盗
事件が発生したのはパヤオ県ムアン区のクワンパヤオ湖畔通り沿い。最初の被害は、ナス・プラパパン氏(48歳)が所有するHonda Wave 110i(黒・青)。彼女は鍵を差したまま停車していたバイクが盗まれた。容疑者の日本人男性は、そのバイクで一旦現場を離れたが、しばらくしてから同じ場所に戻ってきて2台目を盗もうとした。
2台目の窃盗未遂で取り押さえ
商人と最初の被害者は容疑者の顔を覚えており、再び現れた瞬間に走って追跡した。一団は容疑者を取り押さえ、警察に通報。担当のナタキット・チュムダウン副調査官(ムアンパヤオ警察署)が現場へ駆けつけ、身柄を確保した。容疑者は身分証明書を所持しておらず、ムアンパヤオ警察署へ移送され、本格的な事情聴取が始まった。容疑者名はヒロキ・カミヤマ氏(38歳、日本国籍)と判明している。
地元住民「スキャマー潜伏」を推測
事件後、地元住民は容疑者が「タイ北部に潜伏しているオンライン詐欺グループの関係者ではないか」と推測している。タイ北部のミャンマー国境エリアは、コールセンター詐欺・暗号通貨詐欺の拠点として国際的に問題視されており、ミャンマーから逃げ出した詐欺加担者がタイ北部各県に潜伏するケースが報告されている。今回の容疑者が詐欺グループと関係があるかどうかは、警察の捜査を待つことになる。
在タイ日本人への含意
タイで日本人が窃盗事件の容疑者として逮捕されるケースは非常に珍しい。ほとんどの在タイ日本人は駐在員・観光客・ロングステイ滞在者で、犯罪に関与する事例は限定的だ。今回の容疑者がどのような滞在状況だったか(ビザの種類・所持金・住居)は警察の発表待ちだが、身分証明書を所持していなかった点から、不法滞在や所持金困窮が背景にある可能性も指摘される。日本大使館(バンコク)は領事サポートを提供する見込みで、家族との連絡・弁護士手配・裁判同行などが必要に応じて行われる。
駐在員の安全管理ポイント
タイの地方でバイク・スクーターを使う際の基本ルールは「鍵を絶対に差したままにしない」「短時間でもエンジンを切ってヘルメットと一緒に持ち帰る」「観光地のバイク貸し業者は信頼できる店を選ぶ」だ。今回の被害者は鍵を差したまま放置していた点が窃盗を容易にした。タイのバイク窃盗発生率はASEAN圏内で高い水準にあり、特に湖畔・市場・観光スポット周辺は要注意エリアだ。事件・事故に巻き込まれた場合の連絡先は警察191、ツーリスト警察1155、日本大使館領事部02-207-8500がそれぞれ対応する。