TTB銀行(タイの大手商業銀行)とMBKグループ(タイの大手不動産・小売・金融複合企業)が合弁で設立した「TTB Leasing」が、5月14日にバイクローン(オートバイ向け割賦販売融資)市場への参入を正式発表した。3年以内に市場シェアTop 3入りを目標に掲げる強気の参入で、タイのバイクローン市場(年間950億バーツ規模)の競争構図を変える可能性がある。在タイ日本人駐在員にはあまり身近でない金融商品だが、家政婦・運転手・現地スタッフがバイクを購入する際の選択肢に直接影響する話題だ。Autolife Thailandが詳細を伝えた。
TTB Consumer × MBK FINB Holdingの合弁
TTB Leasingの設立を主導したのは、TTB銀行傘下のTTB Consumer Co., Ltd.と、MBKグループ傘下のMBK FINB Holding Co., Ltd.。両社の出資による合弁形態で、TTBの銀行ノウハウとMBKの小売・金融ノウハウを組み合わせる狙いだ。代表取締役にはマンコン・ピアンピタックキット氏が就任、バイクローン市場での急速な展開を率いる。
3年でTop 3入りという強気の目標
TTB Leasingは設立に当たって、明確な数値目標を掲げた。3年以内に「タイのバイクローン市場でシェアTop 3に入る」というものだ。現在の市場シェア上位を握るのは、Mtls (Muangthai Leasing)、Krungsri Auto、KTC、CIMB Thai Auto、Tisco、TLT (Thoresen Leasing) など複数の専業・銀行系プレーヤーが入り乱れる競争市場で、3年でTop 3入りには相応の積極展開が必要だ。
市場規模は2-3年で850億→950億バーツへ拡大
TTBリーシング社長によると、タイのバイクローン市場は過去2〜3年で大きく拡大した。市場規模は850億バーツから950億バーツへ、年率6%程度の成長を続けている。市場拡大の主因は「バイク1台あたりの平均価格の上昇」で、電動バイクや大型バイクの需要増加が単価を押し上げた構造だ。
与信は依然として厳格、市場全体の課題
一方で、社長は「ローン審査の与信基準は依然として厳格な状態が続いている」と認めた。タイの家計総債務の高さ(GDP比80%超)、所得が不安定な現地労働者層、ノンバンク系融資の延滞リスクなど、貸し手側の慎重姿勢を維持する要因が複数並ぶ。TTB Leasingが市場で存在感を出すには、独自の与信モデルやMBKの顧客基盤を活用する戦略が求められる。
在タイ日本人駐在員家庭の視点
タイで雇用しているメイド・運転手・現地スタッフがバイクを購入する際、これまではMuangthai Leasing系、Krungsri Auto系などのローンを利用するケースが多かった。TTB Leasingの参入で選択肢が増えるとともに、競争激化によって金利条件・契約条件が利用者有利に動く可能性がある。雇用主としては、現地スタッフのバイクローン相談に乗る場面で、TTB Leasingも候補に挙げられる情報源として頭に入れておきたい。
タイ金融業界の構造変化
TTB×MBKという主流大手同士の合弁参入は、タイのバイクローン市場が「成長分野」として認識されている証拠でもある。電動バイク(タイ国内で広がるEVバイク:Yamaha E01、Honda PCX Electric、中国系メーカー含む)の普及と並行して、ローン需要は引き続き拡大する見通し。市場の競争構造の変化は、利用者にとって価格・条件の選択肢増につながる方向で動きそうだ。