タイの石油元売り大手PTG Energy(PTG、SET上場)が、2026年1〜3月期の純損失174百万バーツ(約8億5,000万円)を計上した。前年同期は純利益186百万バーツ(約9億1,000万円)だったため、前年同期比で-194%の急変。中東地政学リスクによる世界市場の原油卸価格上昇と、タイ国内の石油基金管理タイミングのズレが石油事業を直撃した形だ。在タイ日本人ドライバーが日々接するPTTスタンドや独立系スタンドの裏側で、燃料元売り各社が厳しい局面に置かれていることを示すデータだ。
純損失174百万バーツ、前年同期比-194%
PTGのピタック・ラチャキジプラカン社長兼CEOが13日に明らかにした業績によると、3月31日締めの第1四半期は純損失174百万バーツ。前年同期の純利益186百万バーツから一気にマイナスへ転落した。親会社所有者帰属の純損失は205百万バーツで、こちらの前年同期からの落ち込みは-208.1%、前期比でも-165.3%と二桁マイナス幅となった。
主因はOil事業の粗利低下
最大の足を引っ張ったのはコア事業の石油販売(Oil)。粗利が前年同期比で-15.9%、前期比で-19.2%減の2,267百万バーツに落ち込んだ。1リットルあたりの粗利益も20.1%減少しており、燃料1リットル売って稼げる金額が大きく縮んだ。タイの燃料リテールは、政府の小売価格規制と国際市場価格の差を石油基金で調整する仕組みだが、その調整が業績に効きにくい局面に入っている。
中東地政学リスクと石油基金管理のズレが直撃
PTGは原因として、中東の地政学的緊張による世界市場での原油卸価格の上昇と、国内石油基金の運用タイミングが製油所出荷価格に対して時間的にズレたことを挙げている。要するに、原料の仕入れ値は上がるが、小売価格への転嫁は遅れて、結局その差を元売り側が吸収する構図だ。タイのドライバー目線でも、5/14のガソリン70サタン値上げに代表されるように、近頃の燃料価格は週単位の小幅改定が続いていて、急騰局面での吸収が一巡してから値上げが出てくる傾向にある。
在タイ日本人にとっての含意
PTGはタイ全土で「PT」ブランドのガソリンスタンドを展開する大手で、PTT・バンチャクと並ぶ存在。元売りの赤字が続けば、補助金縮減・小売価格値上げ・スタンド数の整理といった調整が、近い将来に表に出てくる可能性は高い。在タイ日本人ドライバーには、自分の通勤車・自家用車の月々の燃料コスト管理に加え、Grab運賃や宅配コストの上振れも視野に入れた家計設計が現実的なテーマになりつつある。