タイのアヌティン・チャンウィラクン首相が5月14日までに、5月13日に副政府報道官が発表した「外国人事業法附帯リストから9業種を除外する」内閣方針について「外国投資家が許可なくタイでビジネスを運営できる、という解釈は誤り。これまで通り許可申請は必要」と明言し、混乱を招いた発表に対して謝罪した。在タイ日本人駐在員にとっても、「規制緩和」と受け取られた政策の実際の中身を知る必要がある内容だ。
副報道官の発表が誤解を呼び、首相が直々に釈明
混乱の発端は5月13日。副政府報道官のパッダラサミー・トンサルアイコーン氏が、内閣会議で承認された外国人事業法の改正方針として、8業種に影響する変更を発表した。この発表が「外国人がタイでビジネス運営する際の規制が大幅に緩和される」と一部メディアで解釈・伝達された結果、現地の外国人投資家や日本人駐在員の間で「許可申請が不要になるのか」との疑問が広がっていた。
アヌティン首相「許可は依然として必要」と明言
The Thaigerの報道によると、アヌティン首相は釈明の中で「外国人事業法附帯リストから一部業種を除外することと、許可制を撤廃することは全く別の話だ」とした上で、「外国投資家はこれまで通り、規制対象業種についてはタイ商務省の許可を申請する必要がある」と明言した。今回の措置はあくまで附帯リストの整理であり、実質的な許可制度自体は変更されないとの見方を打ち出した形だ。
混乱を招いた発表のスタイルを政府が謝罪
首相は今回の混乱について政府として謝罪を表明。副報道官の発表時の文言が断片的で、誤解を招きやすい形になっていたとの認識を示した。タイの外国人事業規制は、外国人持株比率や許可制を細かく定めるカテゴリ別の複雑な制度で、政策発表時の言い回し一つで「全面開放」と誤解されやすい構造にある。
関連背景
今回の事案で重要なのは、「9業種の附帯リスト除外」と「許可制の廃止」は別物だという点だ。タイで日系企業の駐在員が事業立ち上げや既存事業の拡大を検討する場合、商務省の許可申請、外国人持株比率(多くの業種で49%以下)、現地パートナーの選定など、従来の規制構造は依然として続く。今回の措置は「制度を整理しただけで実質的な緩和ではない」と理解しておくのが、現場で混乱しないために重要だ。
タイ商務省の続報待ち、駐タイ日本商工会議所などの声明にも注意
商務省はこの後、対象となる9業種の具体名と、各業種で必要な許可申請手続きの内容について続報を出す見通し。駐タイ日本商工会議所や日系法律事務所も、自社・顧客向けに今回の措置を解説するスタンスで動くと見られる。具体的に事業計画に関連する駐在員は、日本商工会議所の発信と弁護士の見解を併せて確認したい。

