ランプン県パーサーン郡の有名「カム解除(แก้กรรม)」教祖による性的搾取事件で、5月12日に新たな被害者2人が警察に告発した。CCIBプラ・トー・オー・エカシット・パーンシター第4分署長によると、うち1人は18歳で17歳時に性器を触られる被害を受けたが、告発が3か月以内の期限に間に合わなかったため時効となり、もう1人は25歳のナコンサワン県在住の男性で、20歳時にうつ病治療を口実に連れてこられ被害を受けたという。(関連記事:タイ歌手ケン・タチャイが10年前の寺院ナーナトン儀式で全脱衣強要+性器に書字)
うつ病患者を標的にした手口
25歳の被害者はうつ病の治療先を探していたところ、「カム解除で治せる」と聞いて教祖のもとを訪れた。「呪術上の理由」として性器に触れられたが、「治療の一環」と信じ込まされてその場では告発しなかった。今回SNSで他の被害者の証言を目にして警察に踏み切ったという。
タイには約140万人のうつ病患者がいるとされ(2024年推計)、公式医療への偏見や「悪霊・業が原因」とする信仰が根強い地域では、呪術師への依存が続きやすい。被害者は「治療を求めて行ったのに性的搾取に遭う」という二重の被害を受ける構造だ。
時効問題と被害者支援
18歳の被害者は17歳時の被害をすぐに告発しなかったことで、タイ刑法の3か月時効規定に引っかかった。刑事責任の追及は困難だが、民事訴訟の道は残る。被害者支援団体「サイマイトンロード(สายไหมต้องรอด)」はパウィーナー・ホンスクル財団系列のNGOで、SNSを通じて被害者の声を集め、法的支援と社会的可視化を担っている。警察は引き続き告発を受け付けており、追加の被害者が出る可能性がある。



