カムペーンペット県メアン郡ノンプリン町3組の住民が、5月12日から6月にかけて食用甲虫「メンイヌン(แมงอีนูน)」の夜間狩りを楽しんでいる。ピン川沿いのオイ畑や草原に懐中電灯・ペットボトル・網を持って出かけ、1人あたり1晩で500〜600匹を捕獲、仲買人に1匹2バーツで売って副収入を得ている。年に1度しか出現しない旬の昆虫を地元の人々が総出で捕まえる光景は、タイ農村部の季節の風物詩だ。
年に一度の「光に集まる夜」
メンイヌンは大きさ約2〜3cmの食用甲虫で、雨季入り直後の5月中旬から6月初旬の約3〜4週間だけ大量発生する。日没後に強い光に集まる習性があるため、懐中電灯の下にペットボトルを置くだけで大量に捕獲できる。保存が難しく鮮度が命のため、季節を逃すと1年待つことになる。捕獲した翌朝に仲買人へ売るのが一般的で、末端の市場や飲食店では1匹5〜10バーツに値上がりする。
揚げ物からカレーまで
メンイヌンの代表的な料理は、油で揚げて塩・チリで仕上げる「トートメンイヌン」だ。サクサクとした食感が特徴で、タイ東北部・北部・中央タイの農村部で広く食べられている。赤チリペーストで炒める「チューチーメンイヌン」が最も人気が高く、青チリペーストで煮込む「ゲーンメンイヌン」も定番だ。乾燥重量あたりタンパク質が約60%と豊富で、FAO(国連食糧農業機関)が食料安全保障の観点から昆虫食を推奨していることとも重なる。タイ国内の昆虫食市場規模は約100億バーツとも試算されており、農村の伝統文化が産業として再評価されつつある。



