タイ女子プロゴルファーで世界ランキング2位のアタヤ・ティティクル(あだ名:ジーン)が5月10日、米ニュージャージー州で開催されたLPGAツアーの「ミズホ・アメリカズOpen 2026」最終ラウンドで3アンダー69を記録、通算13アンダー275で2連覇を達成した。賞金48万7500ドル(約7300万円)を獲得し、これでLPGAツアー通算9勝目となる。タイのスポーツ界全体にとっても祝賀ムードが広がる結果だ。
アタヤ選手はミズホ・アメリカズOpenでは2025年に続く2連覇。タイ人女子ゴルファーが米国メジャー級のLPGAツアー大会で2連覇を達成するのは極めて異例で、彼女自身がタイ女子ゴルフの「絶対的エース」としての地位を改めて固める形となった。世界ランキング2位という現状の数字も納得の安定感を示した。
最終ラウンドは3アンダー69のラウンド。前日までのリードを安定して守り、最終的に通算13アンダー275で優勝確定。2位は中国のイン・ルオニン(9アンダー279)、3位は韓国のチェ・ヘジンと、東アジア勢が表彰台を独占する結果だった。タイ・中国・韓国の3か国がLPGAでの存在感を強める流れを象徴する大会となった。
アタヤ選手の経歴は華々しい。ラチャブリ県出身で、9歳でゴルフを始め、若くしてアジア・パシフィック女子アマチュア選手権を制覇。2017年に14歳11か月でレディース・ヨーロピアン・ツアー(LET)の「Ladies European Thailand Championship」優勝で、世界最年少プロゴルフ大会優勝記録を更新した。2022年にLPGAツアー本格参戦、2023年に世界ランキング1位達成、その後も世界トップクラスの座を維持している。
2026年シーズンは順調そのものだ。今回の優勝で年間獲得賞金もLPGAツアートップ集団に位置し、年間最優秀選手(プレーヤー・オブ・ザ・イヤー)の有力候補としても注目される。次戦以降の世界選手権・ツアー大会での活躍が、年末のCMEグループツアー選手権までの順位争いに直結する。
タイ国内では、アタヤ選手の活躍はナショナルプライドの源泉となっている。タイの女子ゴルフは2010年代以降、急速に世界トップ水準に到達し、アタヤ選手以外にもアリヤ・ジュタヌガーン姉妹、パッタヤー・ティパティラパイサン、パンナラート・ファッタムらが世界ツアーで活躍。組織的なジュニア育成プログラム、企業スポンサー支援、海外遠征環境の整備が同時並行で進んだ結果だ。
タイ在住の日本人駐在員にとっても、アタヤ選手の活躍はタイ人パートナー・取引先との会話の中で頻繁に話題になるテーマだ。ゴルフはタイのビジネスエリート・政府関係者の重要なコミュニケーションツールであり、彼女のような世界級選手の活躍は「タイ=ゴルフ強豪国」のブランドイメージを国際的に高めている。バンコク・ホアヒン・チェンマイ周辺のゴルフ場では、彼女の優勝記念イベントや地域大会との連動企画が増える可能性が高い。