ペッチャブリ県カオ・ヨイ郡サパン区Moo 3の田んぼで5月10日午後9時34分、カオヨイ警察署の管轄内で痛ましい事件が発生した。10代の男1人が、暗くて人気のない田んぼの小屋(テーンナー)で飲酒していたミャンマー人男性2人を恐喝しようとしたが拒否されたため、刃物を抜いて突き刺し・斬りつけ、2人を血の海に倒した状態で逃走した。被害者2人は重傷で、近隣のカオヨイ病院に救急搬送された。容疑者は10代の男で、Honda Waveのバイクで現場から暗闇に紛れて逃走、警察が広範囲に捜索を続けている。
事故現場はペッチャブリ県カオヨイ郡のサパン区Moo 3、ヨーティン・ブンユータ学校の裏手にある田んぼの中央部。日中でも辺鄙な場所で、夜間は街灯もなく真っ暗な地域だ。被害者2人のミャンマー人男性は身元不明(氏名・年齢未公表)で、田んぼの小屋でビールを飲んで休息していたところを襲撃された。
捜査の初動段階によると、容疑者はHonda Waveのバイクで現場に乗り付け、ビールを飲んでいる2人に金銭を要求した。要求が拒否されたか、抵抗されたかしたため、刃物で2人を襲撃。2人を倒した後、ミャンマー人2人の所持品が奪われたかどうかは、本稿時点で公表されていない。
カオヨイ病院の救急救助チームが現場に駆けつけ、出血で意識を失った2人をそれぞれ搬送、緊急処置を開始した。重傷で生命の危険があるかどうかは捜査当局が今後の医療経過とともに公表する。容疑者は犯行後、暗闇に紛れて逃走しており、警察は地域の道路網に検問を敷いて捜索を進めている。
タイ国内のミャンマー人労働者は、ペッチャブリ・サムットサーコン・ラヨーンなどの中部県で農業・水産加工・建設業に従事するケースが多い。しかし、現金所持に頼った生活パターンと言語面の不利さから、犯罪のターゲットになりやすい構造が長く指摘されてきた。今回の事案は、深夜の人気ない場所での「ターゲットとして狙いやすい」ミャンマー人を、地元の少年が経済的目的で襲撃した典型例となる。
タイの少年犯罪については、薬物影響下での凶悪事件が頻発しており、ウボンラチャタニで41歳薬物中毒息子が73歳母親を斧で殺害するなど、薬物起因の暴力事件が連続している。今回の容疑者がヤーバー(メタンフェタミン)影響下にあったかどうかは捜査の重要ポイントとなる。
タイ在住の日本人駐在員にとっては、深夜の地方部・人気ない場所での飲食・休憩が危険を招く可能性を改めて示す事案だ。ペッチャブリ県を含む中部県は、観光地(ホアヒン・パッタヤ)への移動経路として利用されることが多いが、深夜の単独休憩・路肩駐車での飲食は避け、24時間営業のセブンイレブン・ガソリンスタンドなど明るい場所での休息に徹することが安全対策となる。