中国人ミンチェン氏(31)の武器庫事件で、5月10日午後3時半、ナーチョムティアン警察署で取り調べを受けたPCO(一等兵曹)パトムフォン氏(通称ジャオ・ヘープ、元海軍)が銃供給への関与を全面否認した。「もし本当に銃を売っていたら、もうとっくに金持ちになっている」と弁明したが、警察の捜査結果は「彼が銃売買ネットワークの一段階を担い、各段階で利潤を上乗せして最終的にM4一丁が20万バーツに達した」と矛盾する内容を示している。受け渡し場所も警察が特定済みだ。
身柄を確保された5人目の容疑者であるパトムフォン氏は元海軍将校で、現役海軍上等兵曹のメーティー氏(通称ジャオ・メーティー)と並んで取り調べを受けた。両者は同日、ナーチョムティアン警察署に呼び出され、数時間にわたる事情聴取が行われた。警察は「中国人ミンチェン・サン氏に銃を供給した経路の中で、両名がそれぞれ役割を担っていた」と確信している。
パトムフォン氏の弁明は具体的だ。「もし自分が銃を売って利益を得ていたなら、貯蓄もあって裕福な生活ができているはずだ。しかし現状はそうではない」というロジックで、関与を否定した。一方、警察の捜査結果は、銃の流通経路で「各転売段階で価格が上乗せされ」、最終的にM4一丁の価格が20万バーツ(約98万円)に達した経緯を示している。
警察が「受け渡し場所」を特定済みという発表も重要だ。具体的な場所は捜査上の理由から非公開だが、ジャオ・ボーイ→ジャオ・ヘープ→ジャオ・メーティー→ジャムロン→ミンチェン氏という連鎖の中で、物理的な銃の移動経路が把握されているということになる。否認しても、状況証拠が積み上がっている状態だ。
ミンチェン氏の武器庫事件は、5月8日のチョンブリ県車両転倒事案から発覚した一連の捜査で、ジャオ・ヘープ拘束で5人目の容疑者となった。同氏は過去に「有名企業の現金輸送車強盗事件」で逮捕歴があり、軍籍関係者と組織犯罪の連結点として捜査の核心人物となっていた。
中国大使館は5月10日、「中国国民は現地法から保護せず」と公式声明を発表し、タイ司法プロセスへの不介入を明言した。この声明によりミンチェン氏は外交保護を受けられず、タイ法廷でフルに立件される道筋が固まった。同様に、ジャオ・ヘープ・ジャオ・メーティー両名も軍籍関係者として軍法廷ではなく、刑事法廷で立件される見込み。
捜査の焦点は今後3点だ。第一に、ジャオ・ヘープの過去の現金輸送車強盗事件と今回の銃売買ネットワークの関連性。第二に、ミンチェン氏が武器を集めた真の動機(自殺準備か、テロ準備か、組織的な武器転売か)。第三に、BHQと呼ばれる越境犯罪組織との具体的な接続点。これらが解明されれば、タイ国内の軍籍関係者を含む武器密売の全体構造が明らかになる可能性がある。