タイ自動車市場のB-SUV/BC-SUV分野で2026年第1四半期(1〜3月)の販売台数が50,578台に達し、Toyota Yaris Crossが9,303台(シェア18.4%)で2四半期連続の首位を獲得した。動力源別では純電気自動車(BEV)が26,777台(52.9%)、ガソリン/HEVが23,801台(47.1%)となり、BEVが過半数を超える構造変化が確定した。日本車4モデルと中国車6モデルがトップ10に並び、勢力図が大きく塗り替わりつつある。
トップ10の顔ぶれは日中入り乱れた構成だ。1位Yaris Cross(日本・9,303台・18.4%)、2位JAECOO 5 EV(中国・8,694台・17.2%)、3位Honda HR-V(日本・5,359台・10.6%)、4位BYD ATTO 3(中国・4,382台・8.7%)、5位Toyota Corolla Cross(日本・4,110台・8.1%)、6位Mitsubishi XForce(日本・2,714台・5.4%)と続く。7位以降はDeephal S05 BEV(中国・2,526台・5.0%)、MG S5 EV(中国・2,507台・5.0%)、CHERY V23(中国・2,141台・4.2%)、GAC Aion Y Plus(中国・1,817台・3.6%)という並びとなった。
注目すべきは2位のJAECOO 5 EV(中国のCHERY傘下ブランド)が8,694台と1位Yaris Crossに7%差まで肉薄している点だ。前年同期にはランクインしていなかったJAECOO 5 EVが急上昇したことは、中国系新規ブランドのタイ市場攻勢が量的に成功したことと、BEVへの消費者シフトが本格化したことを裏付ける。
日本車陣営はYaris Cross・Honda HR-V・Corolla Cross・XForceの4モデルで合計21,486台、シェア42.5%を占める。Toyotaの2モデルだけで13,413台・26.5%を確保しており、ブランド力を維持している。中国車陣営は6モデルで22,067台・43.6%と日本車陣営を台数で上回り、「中国車は売れない」というステレオタイプは過去のものとなった。
BEV比率52.9%はタイのEV補助金政策の成果でもある。一方、消費者保護局がEV苦情1,348件・103Mバーツの賠償請求を公表するなど、EV普及に伴う品質問題も顕在化しており、販売台数の伸びと並行したアフターサービスの整備が次の課題となる。
在タイ日本人が車種を選ぶ際の判断材料としては、信頼性とリセールバリュー優先ならToyota Yaris Cross・Corolla Cross・Honda HR-V、コストパフォーマンス重視で中国車を試したいならJAECOO 5 EV・BYD ATTO 3・MG S5 EV、という棲み分けが鮮明だ。サービスセンター配置と部品供給の安定性は依然として日本車が優位だが、中国車も急速にネットワーク拡張を進めている。





