タイ・チャンタブリ県治安維持本部(กองอำนวยการรักษาความมั่นคงจันทบุรี/ISOC)が2026年5月4日、未熟ドリアンの違法流通取り締まり結果を発表した。タムボン・トゥンベンチャー(タマイ郡)とタムボン・サレング(ムアン郡)の3つの選果・梱包施設を抜き取り検査し、サレング区第10集落の事業所で輸出向けに梱包済みのモントン種ドリアン350箱(合計約7トン)から、乾燥重量32%基準を満たさない未熟ドリアンを529個・1.5トンを発見した。事業者には1回目の警告と全数の赤色スプレーマーキングが命じられた。
検査の流れは次の通り。当局が国外輸出(主に中国・香港・韓国・日本向け)に出荷予定のモントン種ドリアン350箱を確認し、サンプルから乾燥重量パーセンテージを測定。法定基準である32%を下回る個体が混入していたため、全箱の解体命令を出した。詳細な選別を行った結果、未熟ドリアン529個・約1.5トンが特定された。これらは赤色スプレーペイントで大きなマークを付け、再販・再梱包・他社への横流しを防ぐ措置が講じられた。
赤スプレーマーキングは、タイ果物業界での未熟品流通防止策として効果的な仕組みだ。マークが付いたドリアンは商品価値を失い、別の業者がリパッケージして再販することができなくなる。結果としてタイ産果物のブランド毀損を防ぎ、適正価格の維持と農家の利益保護を両立する狙いがある。事業者には1回目の警告と証拠記録が残され、再犯時には4/23の全国検査と同じく事業者免許の剥奪を含む厳罰が適用される。
今回のチャンタブリ検査は、4月23日にタイ政府が全国760箇所のドリアン検査・21箇所で未熟品販売停止・再犯1箇所で免許剥奪を発表した取り組みの続報だ。チャンタブリとラヨーンが主要産地として継続的な監視対象となっており、5月のドリアン最盛期に向けて検査体制を強化している。背景には、近年のドリアン1個100Bライブ販売の混乱や副首相のSNS反論、ピムリパイの大規模ライブ赤字事例などで、市場価格と品質管理の両面で混迷が続いている事情がある。
在タイ日本人の生活への影響は2点。第1にスーパー・市場でのドリアン購入時に、パッケージに「乾燥重量32%基準合格」シールの有無を確認する習慣が役立つ。赤スプレーマーク付きドリアンが市場に流れることはないが、ノーマーキングの未熟品が混入する事業者ルートも依然として存在する可能性がある。第2に対日輸出ドリアン(生鮮・冷凍)の品質保証強化は、日本のスーパー・食品店でタイ産ドリアンを購入する際の信頼性向上につながる。タイ政府は2025〜2026年シーズンを「品質ブランド回復の節目」と位置づけ、産地での検査・赤マーク・厳罰を組み合わせた多重管理を進めている。
ドリアン価格はノンタブリーで猛暑・汽水侵入で生産8割減が報じられ、副首相が33%増産で価格安定を主張するなど、需要・供給・価格の3要素が複雑に絡み合う局面が続く。当局の品質取締強化はその一環として、来シーズン以降のタイドリアンブランドの国際的競争力維持の鍵となる施策だ。