(関連記事:副首相のドリアン1個100B激安ライブ案、経済学者は「農家の卸売価格を圧迫」と批判)
タイ商務省は2026年4月28日、人気インフルエンサー「ピムリーパイ」によるドリアン1個100バーツのライブ販売計画について、価格圧迫の動きがあれば法的措置を取る方針を明らかにした。経済学者や農家からの批判が広がる中、政府として監視強化の姿勢を打ち出した形である。
商務省報道官のコラニット・ノーンチュイ氏は、ピムリーパイ側に直接事実関係を確認したと説明。同氏によれば、ピムリーパイは個人事業者の立場で「タイ果物の販売チャネル拡大とLive Commerce直販で農家を支援したい」との意向を示し、生産過剰となった今シーズンに合わせて販売スピードを上げるためにプロモーションを組んだという。
商務省は民間のライブコマース参入を歓迎すると表明する一方で、特定のインフルエンサーや農家、業者への優遇措置は行わないと強調した。販売形式・プロモーション・価格は農家と販売者の直接交渉で決まるべきものであり、政府は中立的な立場で取引を見守るとの位置づけである。
その上で、ライブ販売が原因で農家の卸売価格が不当に圧迫される動きが見られた場合は、独占禁止法など関連法令を適用して即座に対応すると警告した。「不公正な価格圧迫が確認されれば法的措置を取る」という言い回しは、ピムリーパイ単独ではなく、今後同様のキャンペーンを企画する他のインフルエンサーや業者への牽制としても機能する。
タイのドリアンは中国向け輸出が市場の中核を担う一方、国内消費の比重も増えてきた。世界最大級の輸出国だからこそ、政府主導の激安ライブが農家全体の価格交渉力を弱める懸念は無視できない。日本人の感覚では「商務省が報道官を立てて1人のインフルエンサーを牽制する」事態自体が驚きだが、ドリアンが国家経済の象徴的農産物となっているタイならではの構図といえる。
