タイ政府が家計と小売業の両方を支える景気刺激策「コンラクルンプラス(半額クーポン・プラス)」の第2弾を本格始動させる。関連会社が進めてきた「タイ助けタイ・プラス」プログラムと組み合わされる形で、2026年4月にスマホアプリ「ペーターン」での登録を開始し、5月から段階的に利用できるようになる見通しだ。
今回の給付額は申請者の納税状況によって異なる。所得税の申告がある納税者は2,400バーツ、非納税者は2,000バーツを10ヶ月間にわたって使える仕組みである。年金や福祉手当の受給者など、すでに国の補助を受けている人にも幅広く付与される方向で設計されている。
対象は2,000万~3,000万人規模と見込まれる。条件はタイ国籍、16歳以上、タイIDカード保有、過去の類似プログラムで権利停止や返還命令を受けていないこと。日本人をはじめとする外国人居住者は対象外であり、働く側の店舗として参加する形でしか恩恵を受けられない。
目玉は福祉カード「バット・サワッディカーン・ヘンラット」との統合にある。これまで低所得層と一般世帯で別立てだった給付・割引の仕組みを一本化することで、商店側の処理を簡素化しつつ、利用者側は「タイ助けタイ」加盟店や政府指定のブルーフラッグ店で通常価格から25~50%安く商品を買える。
2025年にかけて実施された第1弾は、ペーターンアプリの「残高2,400バーツ」画面を友人同士で見せ合う光景が街角で定着するほど浸透した。小売各社にとっては「ペーターン対応か否か」が客足を分ける事態となり、屋台やローカルスーパーまで参加店舗を拡大してきた経緯がある。
日本では給付金の現金振込や商品券で議論が紛糾するあいだに、タイはアプリで登録から決済、残高確認、割引店舗の検索まで一気通貫で動かす形が定着した。タイ在住者からすると「日本より動きが速い」と感じる場面は、今回の第2弾でも続きそうである。