タイの防災局(PPDP)は、4月16日から19日までの夏嵐による被害集計を発表した。被害は全国21県にまたがり、被災は90郡205行政区613村で、住宅4,511戸が何らかの損害を受けた。このうち北東部チャイポーン県だけで11郡にわたって500戸以上が被害を受けており、1県に被害が集中する典型的な分布を示している。
被害の多くは屋根の破損と倒壊で、強風と雹が短時間に叩きつける形で住宅を直撃した。電柱の倒壊や農作物の押し倒しも各地で相次ぎ、停電や物流の一時的な滞りが並行して発生している。タイの地方部では屋根材にトタン(亜鉛メッキ鋼板)が多く使われており、雹や強風に対する耐久性が限定的という構造的な弱さがある。
チャイポーン県は今回の被害の中心にあたる。ムアン、カセートソムブーン、コンサワン、バンペトブーンなど県内11郡の広範囲で住宅損害が発生しており、県の現地調査と補償手続きが急ピッチで進められている。PPDPは24時間体制で重機・電源車・通信機材を各県に派遣し、復旧を支援している。
背景には気象庁の警報第11号と第12号がある。21日時点までに第12号で26県が対象となっており、4月17日以降のタイ上部地域は連日のように突風・雹・落雷に襲われていた。先にルーイ県プークラドゥン郡で拳大の雹が1時間降り続いた事例も含まれており、1件1件の被害が広域の累計に結実した。
気象庁は追加で、4月23日から25日にかけて新たな夏嵐がタイ上部を襲うと予報している。北部・東北部・東部が先に影響を受け、中部・バンコク首都圏にも南下する見通しで、今月中に2波目の雹被害が発生するリスクは高い。復旧途中の世帯が再び被害を受ける二次被害が懸念される。
在タイ日本人にとっての実務的な注意は、屋外駐車のフロントガラス保護、バイクのシート・外装保護、停電時のモバイルバッテリー充電、冷蔵庫の食品管理、そしてエアコン室外機の周囲の飛散物チェックである。雹が降り始めたら屋外活動を即中止し、屋根のある場所に移動するのが基本となる。