バンコク東部ノンチョック地区の警察は4月20日夜、住宅の前に設置されていた水道メーターを次々と盗んで転売していた男を逮捕し、同時に買い取っていた古物商も検挙した。押収された水道メーターは100個を超え、男は「数えきれないほどやった」と常習を認めた。
逮捕劇を指揮したのはバンコク首都圏警察のサヤーム・ブンソム警視総監、副総監パラープ・エラムラー氏、第3方面警察本部長プラソン・アーンマニー警視正らで、実働はノンチョック警察署のサコン・インウドムヌクーン署長、副署長マーニット・カムフー氏、捜査係長アムナート・テークウアイポン氏のチームが担った。発端は首都水道公社(MWA)による警察への告発で、住宅前の水道メーターが相次いで消失していた。
捜査は防犯カメラの解析と現場目撃者への聞き取りから始まり、「リー」と呼ばれる男が浮上した。年齢の一部は省略されているが、ノンチョック近辺を拠点に活動していた。逮捕後、男は「生活費を稼ぐために盗んでいた」と話し、1個あたりの転売額や回数の内訳は「自分でも覚えきれない」と供述している。押収品からは100個超のメーターが確認され、被害は数十軒の住民世帯に広がっていた。
買い手となった古物商も併せて検挙された。盗品であることを知りながら買い取っていたため、盗品故買罪が適用される見込みである。タイでは古物商による盗品の受け入れが、自転車・バッテリー・電線・金属スクラップ類で慢性的な問題となっており、水道メーターはその延長線上にある品目だ。
住宅前の水道メーターが盗まれると、住民は水が止まり、MWAへの再設置申請と手数料負担が必要になる。再設置までの数日間は近隣からの水確保か、ペットボトル水での対応を強いられる。家主の側に過失はないのに、行政と住民の両方がコストを負わされる構図で、地域住民から被害の声が積み重なっていた。
バンコク首都圏では同様の水道メーター窃盗が過去にも繰り返し摘発されており、今回のように「数えきれないほど」と常習を自認するケースは珍しくない。在タイ日本人居住者にとっても、戸建てやタウンハウスに住む世帯は水道メーターの盗難リスクが身近にあるため、門扉の施錠や防犯カメラの設置が有効な対策となる。