タイ関税第4管区(ソンクラー県)は4月21日、2026年1〜3月期に摘発した密輸品の集計結果を発表した。外国タバコと電子タバコを中心に総額2,800万バーツ超を押収しており、南部国境経由でタイに流入する禁制品の規模が改めて浮き彫りとなった。
詳細な内訳は以下の通り。外国タバコは14,028カートン(2,805,520本)を押収し、評価額は1,300万バーツ超。電子タバコは本体と付属品をあわせて52,748個、1,500万バーツ超に達した。タイで電子タバコは2014年以降、製造・輸入・販売・所持のすべてが違法となっており、今回の押収規模は南部の空港・陸路の摘発では大型クラスに入る。
捜査にあたったのは関税第4管区の捜査処罰部で、ハッヤイ空港税関、ソンクラー税関、ソンクラー捜査処罰ユニットが連携した。空港の手荷物、国際宅配便、陸路の郵便貨物を横断的に検査する体制で、密輸業者が使う「分散発送」の手口を狙い撃ちした形である。
タイでは電子タバコ規制が極めて厳格で、外国人旅行者でも所持が見つかれば最大10年の懲役と50万バーツ以下の罰金という重い処罰の対象になる。健康被害のほか、若年層の喫煙入口になるリスクが社会問題として扱われており、タイ保健省と教育省が啓発キャンペーンを続けている。
外国タバコの密輸は税収回避と並行する問題である。タイでは紙巻きたばこに高率の物品税が課されるため、未納税の外国タバコが市場に出回ると数十億バーツ規模で税収が失われる。南部のマレーシア国境経由と、バンコク・ハッヤイの国際空港経由の双方で継続的な摘発が行われている。
在タイ日本人と日本人旅行者への教訓は明確である。「日本で普通に使っている電子タバコをタイに持ち込むと違法」という基本ルールの認識が依然として浸透しておらず、観光客が空港で足止めされる事例が続いている。日本出発前にタイ国内のルールを確認し、電子タバコ関連機器は一切機内に持ち込まないのが安全な対応である。