パタヤ・バンラムン地区ノーンプルーの7階建てコンドミニアムで、アイルランド人男性カール・ルーベン・ミラー容疑者(50歳)が4月21日午前3時46分、幻覚状態で自室に放火し、妻子ごと救出される事件が起きた。火災そのものは約20分で鎮火したが、放火容疑で身柄を拘束されている。
現場は同コンドの4階で、同居していたタイ人妻ケワリンさん(27歳)と8歳の男児、本人の3人が救出され全員が煙を吸ったため病院に搬送された。軽傷にとどまり、ミラー容疑者の顔にはすすが付着していたと報じられている。妻によれば、男は事件直前に鏡の前で独り言をつぶやき、「誰かが襲ってくる」と主張していたという。
警察の現場検証では、テーブルの上にキッチンナイフ1本、床にライター1個が残されていた。妻の証言によれば、ミラー容疑者はナイフを持ち歩きながら家族を部屋に閉じ込め、その後ライターで部屋に火をつけたとされる。放火が疑われるが、幻覚が動機の中心に据えられる異例のケースである。
火元はリビングルームで、被害額は少なくとも50万バーツと見積もられている。ノーンプルー消防隊とパタヤ災害防止局、サワーンボリブンの救急隊が連携し、約20分で鎮火に成功した。7階建てのコンドの他の階にも煙が広がったが、重大な延焼は避けられた。
パタヤ市警察はミラー容疑者を保護し、落ち着かせてから事情聴取に臨む方針である。放火の法定刑と、家族を閉じ込めた監禁罪の適用を前提に、薬物・アルコール・精神疾患の有無を調べる法医学検査が行われる。タイでは幻覚を理由にした放火事件が年に数件発生しており、処罰の可否は検査結果に左右される。
在タイ外国人コミュニティの一部では、長期滞在中の薬物使用や精神的ストレスが原因とされる幻覚事件が繰り返し起きている。今回の事件も、50代のアイルランド人長期滞在者が家族を巻き込む形で発生しており、パタヤの外国人居住者のメンタルヘルス問題をあらためて浮き彫りにしている。