ノンカイ県の行政当局と警察が4月21日、ムアン郡ワット・タート区バーン・ティップターニの貸部屋3室を摘発し、有名ブランドの咳止め薬を模倣した偽造品の製造拠点を押収した。完成品と包装待ちをあわせて総額550万バーツ相当が確認され、関係者4人が逮捕されている。
捜査を指揮したのはノンカイ県知事サランサック・シークルーネート氏で、副知事スチャート・トーンマニー氏、県防災担当デチャモントリー・ピウルアン氏、ノンカイ第1国土防衛志願隊隊長パーキン氏らが合同で現場に入った。警察の捜査側からはノンカイ県捜査課長ペー警視補プドゥンキアット・サーイカムパー氏、さらに県保健局消費者保護部長のピヤマート薬剤師も立ち会った。
摘発された場所はバーンヌーンプラナウ-ナークロン通り沿いの貸部屋3室で、同じ経営者が借り上げて製造と保管を行っていたとされる。押収品はブリスターパックに詰め終えた完成品と、瓶や包装資材が揃った状態で出荷を待つロットが混在していた。外観は有名製薬会社の商品と見分けが付きにくいほど巧妙で、流通に乗れば相当数の消費者に渡る危険性があった。
タイでは咳止め薬の一部成分が麻薬転用目的で違法に使われるケースが多く、「フォー・カン」(4種類混合)と呼ばれるアンダーグラウンド・レシピでの乱用問題が続いてきた。偽造品の中には成分量が表記と異なるものや、未登録の薬効成分が混入するものもあり、服用した消費者が健康被害を受ける事故が過去にも報告されている。
今回の550万バーツ規模は地方における偽薬摘発としては大型で、販売ルートは国境を越えた流通も含まれていた可能性がある。ノンカイはラオス国境に接しており、タイ国内の偽薬をラオス側に流す密輸ルートが繰り返し摘発されてきた経緯がある。今後の捜査では供給ネットワーク全体の解明が焦点となる。
在タイ日本人にとっても教訓は明確である。タイで市販薬を買う際は、正規薬局(Fascino、eXta、Boots、ワットソンなど)や病院薬局を利用するのが安全で、露店や簡易店舗、露天商から買う安価な医薬品は避けるのが無難だ。ブランドロゴがそっくりでもパッケージの質感や印刷精度に違和感を感じたら、服用前に疑う姿勢が身を守る。