タイ全国の水資源が厳しい状況に入った。4月20日時点で全国のダムの利用可能水量は45%にとどまり、中部と東部では40%を割り込んで危機的水準に達している。雨期入りまでまだ1ヶ月以上残る中で、家庭と農業の両方に影響が広がる恐れがある。
Khaosodによると、国家水資源庁が4月20日午前7時時点の全国水資源状況をまとめて公表した。全ダムの総貯水量は62%(約4兆9千万立方メートル相当)だが、実際に取水して使える水量は45%(約2兆5千万立方メートル)まで減っている。
地域別に見ると、北部は62%(約1兆7千万立方メートル)で比較的安定している。対して中部と東部は40%を下回り、産業と農業の主要地帯でありながら水不足が深刻化している。東北部も厳しい状況で、生活用水の制限が現実味を帯びる県が出てきた。
中部と東部は工業団地の集積地で、アユタヤのロジャナ工業団地、ラヨンのマプタプット、チョンブリーのアマタ・ナコンなど日系を含む多国籍工場が立地する。これらの地域の水供給が細ると、製造業の操業に直接影響する。
農業への打撃も避けられない。4月から5月にかけて田植え前の準備水が必要な米作地帯で、ダムの放流量が制限されれば作付けの遅れや規模縮小につながる。タイの稲作は世界的な米輸出に支えられており、国際市場への影響も懸念される。
一方、短期的な好材料として4月23日から25日にかけて上部タイで夏の嵐が予想されている。局地的には豪雨と雹が襲う恐れがあるが、ダムへの補給水としては貴重な雨となる。南部は逆に雨が減少する予報である。
政府は「水を大切に使う」国民への呼びかけを継続するとみられる。家庭でも洗濯の頻度調整、シャワー時間の短縮、水道漏れの早期修繕など小さな節約の積み重ねが求められる状況だ。
在タイ日本人家庭にとっても、この夏の水使用量には注意を払いたい時期である。特にコンドミニアム暮らしで水圧低下や断水に遭遇する可能性が上がる。ペットボトル水の備蓄や洗濯機の使用時間の調整など、予防的な対策が有効となる。