サケオ県のタイ-カンボジア国境で、16人のカンボジア移民が不法越境の現行犯で逮捕された。1人あたり7,500バーツ(約3万2千円)をブローカーに支払い、タイでの就労を期待して自然の国境ルートを越えようとした。タイ東部の国境警備が強化される流れの中での摘発である。
Khaosod Englishによると、4月20日にブラパ・タスクフォース(タイ陸軍特別部隊)がサケオ入管と合同で作戦を実施した。タイ-カンボジア国境の自然境界地帯で、草むらや小川を経由して越境しようとしていたグループを現場で押さえた。16人全員がカンボジア人で、年齢・性別は発表されていない。
ブローカー経由の越境費用は1人7,500バーツと明らかになった。カンボジアの平均月収(農村部)の約1〜2ヶ月分に相当する金額で、貧困層にとっては大きな負担である。それでもタイで建設業・農業・家事サポートの仕事を得れば、数ヶ月で回収できる計算で越境を決意する構図だ。
サケオ県はバンコクから東へ約200km、タイ-カンボジア国境を持つ。正規入国ポイントはアランヤプラテート(タイ側)・ポイペト(カンボジア側)の国境市場で、毎日数万人の合法的な往来がある。ただし正規ルート外の自然境界での越境も古くから続いており、摘発は恒常的に行われる。
タイ側の対応は年々強化されている。中央警察・軍・入管の連携、有刺鉄線の設置、監視カメラの増設、哨戒巡回の強化などが進む。今回の16人逮捕はその継続的な取り組みの成果の一つで、越境を試みる者への抑止効果を狙う。
被害者はカンボジア側にもいる。ブローカーに高額を払って越境したのに逮捕・送還され、負債だけが残るパターンが繰り返される。国連機関やNGOは「越境前の情報提供と正規ルートの促進」を訴えているが、構造的な改善には時間がかかる。
4月20日には、チャンタブリ県でタイ国旗が国境の自然境界で失踪する事件も報じられた。同日サケオでも16人の不法越境摘発と、東部国境の警戒が同時に高まるタイミングである。カンボジア側軍の関与否定と、タイ海軍の反撃姿勢表明が続く中で、両国の協議が重要度を増している。
在タイ日本人の建設業・農業経営者にとって、外国人労働者の雇用は注意が必要な領域である。正規書類を持たない労働者の雇用はタイ法で厳しく罰せられ、追放・罰金の対象となる。適切な手続きを踏んだ就労ビザ保持者のみを雇用する姿勢が、事業運営の基本である。