プラチンブリ県の住宅地に黒豹(ヒョウの黒変種)2頭が現れ、住民と救助隊が騒然となっている。4月19日深夜に目撃情報が相次ぎ、地元の村長と救助財団が捜索に乗り出した。森林保護区から離れた地域での出現で、「野生ではなく誰かが飼育していた個体が逃げたのでは」との見方が強まっている。
Khaosodによると、目撃されたのは4月19日午後11時15分。プラチンブリ県プラチャンタカム郡ノーンセーン区モー6のバンパイ寺付近である。プラチンブリ救助財団のLINEグループに「大型の黒豹2頭が地域にいる」との通報が入り、アムリン・ルアンシー氏(プラチンブリ県村長会長・同救助財団責任者)らが即座に現場に急行した。
目撃者はバンディット・ウォンセーナ氏とチャナーン・インスック氏の2人。いずれも黒豹をはっきり目視したと証言する。目撃から数十分のうちに村長・救助チームに連絡が入る流れだった。2頭で行動していた点から、親子またはペアの可能性が指摘されている。
警戒が強まるのは、現場が「森林保護区の近くではない」点である。プラチャンタカム郡の森林保護区は直線距離でも相当離れており、野生の黒豹が自然に迷い込むルートとしては不自然である。捕獲禁止の保護種が個人宅で密かに飼育されていた可能性が、捜索チームの中で話題となっている。
タイでは野生動物保護法の指定種である大型ネコ科動物を密かに飼育するケースが過去にも何度も摘発されてきた。裕福な私人や違法輸出入業者が「ペット」として抱えていた個体が逃げ出すケースがあり、今回もそのパターンに該当する可能性がある。
黒豹は人間を襲う攻撃性を持つが、通常は隠れて行動する性質である。住宅地に2頭が出没した状況は極めてまれで、地元では外出時の注意と動物の発見時の対応が呼びかけられている。夜間の捜索は続行中で、天然資源環境省の野生動物保護部門も情報共有に入った。
プラチャンタカム郡はバンコクから北東へ約150km、タイ中部の丘陵地帯である。周辺は農地と住宅が混在し、子供と高齢者の安全が特に懸念される地域となる。在タイ日本人旅行者が訪れることは少ないエリアだが、タイ中部の自然と人間生活圏の境界問題を示す事例として注目される。
捜索の進捗と豹の正体(野生か飼育逃走か)は、今後の調査で明らかになる見通しである。飼育主が特定されれば野生動物保護法違反で立件される可能性が高い。