アユタヤ県の有名寺院の住職が3月中旬から行方不明になっている。家族と寺院関係者の捜索活動に目立った進展がなく、4月20日の発表で事態の長期化が明らかになった。失踪前に「精神病の息子を迎えに行く」と告げて出発した先で音信不通となっており、家族は警察の本格捜査を訴えている。
Khaosodによると、行方不明なのはアユタヤ県プラナコンシーアユタヤ郡バーンポム区のサナームチャイ寺院住職、プラクルー・パラット・ソムバット・シリスワンノー氏。最後に確認されたのは3月17日で、既に1ヶ月以上が経過している。
寺院会計係プルック・スックカセーム氏(64歳)の証言によると、失踪前に住職は「精神疾患の息子を迎えに行く」と話していたという。その出発地点の後、本人の消息は途絶えた。現場には手がかりとしてToyotaのブロンズ色の乗用車の画像が残されている。
家族と寺院関係者の捜索は民間レベルで続けてきたが、成果がないため警察への捜索要請に切り替えた。タイでは著名な僧侶の失踪事例は稀で、寺院コミュニティに動揺が広がっている。
サナームチャイ寺院はアユタヤの王都時代からの歴史を持つ古刹で、地域コミュニティの中心として機能してきた。住職の不在が続くと、日常の法要・葬儀・結婚式の導師役が滞り、地域の宗教生活に支障が出る。
住職の精神疾患を抱える息子との関わりについて、家族は詳細を明かしていない。捜査当局は「精神疾患の息子に関わる出来事」「移動先での事件・事故」「本人の意志による失踪」の3方向から可能性を検討する見通しである。
タイの僧侶は戸籍上「出家者」として一般社会から切り離される立場だが、家族関係は残る。住職クラスの高齢僧は健康管理と精神的負担が交差し、今回のケースは寺院社会の見えにくい重圧を示す事例でもある。
在タイ日本人にとってアユタヤは日帰り観光地として馴染みが深く、サナームチャイ寺院も参拝スポットの一つである。早期の発見と安否確認を地域住民と共に望みたい。